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入門 考える技術・書く技術

入門 考える技術・書く技術

入門 考える技術・書く技術

 

作者は、過去のコンサル企業経験を元に、ライティング教育を始めた人。

この本は、ビジネス文書や仕事のメールなど、ビジネスライティングの方法について書いてある。一般的な文章の書き方とは異なるので注意。

 

いかに簡潔に書くか、読み手の興味を誘うか、を例題を挙げながら細かく書いている。

ライティング方法はすべて、結論を最初に持ってきて、そこから掘り下げるピラミッド型構造。ビジネス文書の種類によって例外も挙げてくれてるので参考になる。

 

 

 

メモ:

●ほか
・日本語のおよそ8割の文章には主語がありません。主語への意識が極めて薄いのです。
・考える作業で大切なのは、最も重要な考え(主メッセージ)を見つけることです。
・普通の人間が一度に理解できる(短期処理できる)考えの数は「 7 ± 2」が限度であるということです。ちなみに、ライティングの世界では安全を取り、下限である「 5」を限界の数とするのが一般的です。
・ピラミッド型に組み立てたメッセージ構造は、そっくりそのまま文書構造になります。レポートであれ、ビジネス文書であれ、自分の考えを伝える文書では、メッセージ構造がそのまま文書構造になるのです。
・「本当に正しいと言えるか?」と自問してみると、前提が常に正しいとは言えない、重要な仮定を含んでいることに気づきます。

●読み手
・読み手の知りたいことを、読み手の関心に向かって書くのです。読み手は忙しいのですから、自分に関係のないあなたの関心事や思いつきに付き合っている暇はありません。
・読み手の疑問に対する答えこそが、ビジネス文書で伝えるべき考え
・読み手の関心や疑問を理解することは、ビジネス・ライティングの出発点となる重要なポイントです。
・書こうとするテーマが読み手の関心から離れている場合、読み手の立場に立って考え、関心を引きつける努力をすることが重要です。
・読み手を絞らないまま漠然と書いても、誰一人説得することはできません。複数の読み手が存在する場合には、漠然と書くのではなく、ターゲットとする読み手を具体的に設定してください。
・たとえば、最も役職の高い人か、役職とは関係なく実質的な影響力を持っているキーパーソンか、平均的な知識を持っている人か、最も知識が浅い人か、などです。大切なのは「読み手が誰か」を考えることです。

●方法
・O: Objective (望ましい状況) 「O」とは、読み手が目指している望ましい状況(Objective)です。
・P: Problem (問題、すなわち現状とObjectiveとのギャップ)
・Q: Question (読み手の疑問)
・A: Answer(答え/文書の主メッセージ)

・大切なのは、「 Q」に忠実に答えるということです。

・コツ 1:すべて読み手の視点で表現する
・コツ 2:比較のレール(トピック)を外さない
・コツ 3:文書の主メッセージは Q に直接答える

●要約
・要約メッセージとは、グループ化した根拠、すなわちグループ内のメッセージ群に共通する「特定の意味」を拾い出すものです。
・要約メッセージ発見のベスト・ツールとして、〝So What? 〟(それで何が言いたいの?)という呪文を紹介します。

●鉄則
・● 鉄則 名詞表現、体言止めは使用禁止とする
・メッセージを名詞表現や体言止めにすると、メッセージというよりも見出しになってしまいがちです。
・● 鉄則「あいまい言葉」は使用禁止とする
・渡世の知恵として文書上で「意図的に」使用するのは OK です。要は、「考えるプロセス」、つまり考えを表現し組み立てるときには、あいまい言葉を使ってはならない、ということです。
・● 鉄則 メッセージはただ 1つの文章で表現する
・● 鉄則「しりてが」接続詞は使用禁止とする
・論理的な関係が明快でない接続詞をすべてひっくるめて、「しりてが」接続詞と称しています。たとえば、このようなものです。  「……し、……」  「……であり、……」  「……して、……」  「……だが、……」
・一切使用しないというのはほぼ不可能に近いでしょう。ただ、少なくとも考えを表現したり、考えを組み立てたりする作業においては使わないでください。

帰納法演繹法
・ピラミッド作成においては、ロジックの基本である帰納法演繹法を使用します。
帰納法とは、複数の特定事象(前提)から要約(結論)を導くロジック展開です。結論は、常に推論となります。絶対的な真実ではなく、前提から導かれた「論理的に」正しい推論です。
・ステップ 1:「つなぎ言葉」をメッセージ文の冒頭に入れてみる
・「なぜそう判断するかと言えば」 「なぜならば」 「たとえば」 「具体的には」
・ステップ 2:声に出して読み上げ、上下のつじつまを確認する
・ステップ 3:下部メッセージ群のつなぎ言葉を見比べる
・結論を先に言い、その後に説明(理由、根拠、方法論など)を挙げていくスタイルはわかりやすくシンプルであり、スピードと明快さが求められるビジネスに非常に適しています。
・ビジネスの世界では絶対的に正しい前提があまりないため、一般的には帰納法の方がよく使われます。演繹法がよく使われるのは、「過去や現在の事実」(絶対的に正しい)に「正しい法則」や「妥当な仮定」(一般的に正しい)を適用して将来を予測する場合です。

●目次
・原則として主メッセージを冒頭に置く場合は「内容を匂わせる目次」、最後におく場合は「内容を匂わせない目次」を使うことが多くなります。

●段落
・段落の基本は、以下の 3 点です。 ● メッセージごとに段落を作る( 1 段落 1 メッセージ) ● 段落の違い(メッセージの固まり)を明確に表現する ● 段落のメッセージ文を段落の冒頭に置く(主メッセージ同様、例外的に段落の最後に置くこともある)
・現代のビジネス・ライティングでは「改行に加えて、通常よりも大きめの行間を設ける」ことで段落の違いを目立たせます(次の図を参照)。

●接続詞
・文章のわかりやすさは、「接続詞」で決まります。接続詞はロジックの最小単位なのです。
・このように論理関係を明確にしてくれる接続詞が「ロジカル接続詞」です。因果関係だけでなく、時間の流れを明らかにするもの(「……する前に」など)、対照・対比をはっきりさせるもの(「……である一方」など)、目的を表すもの(「……するために」など)など、「ロジカル接続詞」にはいろいろあります。

●導入
・このように導入部は、ピラミッドの外にいる読み手に心の準備をさせて、ピラミッドまでつれていくという役割を担っています。つまり、読み手の疑問を導き出す OPQ 分析を利用すれば、おのずと読み手の関心を引く導入部となるはずです。
・ビジネス・メールでは、いきなり本文に入らずに、まず簡潔に 1 行か 2 行を使って感謝の言葉を述べるようにします。理由は 2つあります。