読んだ備忘ログ

本とマンガの読書感想ブログ

一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方

作者は脳内科医でクリニックの院長。

脳には8つの機能の分野があり、特定の機能だけを使っていると他が衰えて記憶力が低下するので各機能をトレーニングしようという内容。根拠と実践方法が分かりやすく書いてある。

脳を刺激する方法や実際の勉強法などがとても参考になった。どこかで見聞きした内容もあるが買ってよかった。

 

私の個人的な話だが、数年前の資格試験で記憶力の低下に困ってさまざまな勉強法を試したところ上手くいった方法が幾つかあって、それが丁度この本に書いてあった方法ばかりだったので本の内容と効果に共感。

 

ポイント:
×ストレス
×勉強直後のスマホ
○ポジティブな感情で臨む
○最初に小さな接点をつくる
○アウトプットを意識して文字を追う
○3つ以上の機能を使う(視覚系が強い人は書きながら可視化して声に出して読むなど)
○聴覚を働かせる
○理解しようとする
エピソード記憶
○繰り返す、その日に復習
○スピーチ復習
○復習は真ん中から
○運動


メモ:

●脳の成長
・脳に正しくアプローチをすれば、脳は 80 歳からでも成長できますし、その成長スピードは 10 代の若者に勝るとも劣りません
・脳力を上げるのは脳細胞ではなく、ネットワークの発達です

●脳の8つの機能
・思考系/理解系/記憶系/感情系/伝達系/運動系/視覚系/聴覚系
・少なくとも3つ以上の脳番地を動かすことで、脳はフル回転しはじめます

●記憶力
・大人の記憶力を高めるためには、トップ3の仲間である思考系と理解系の力が必要
・感情系と伝達系をうまく働かせることが、記憶力強化につながります
・記憶系脳番地は基本的に他の脳番地の働きが弱いと出番が減り、これ幸いとばかりにどんどん怠けます。すると私たちは、「記憶力が落ちた」という錯覚に陥ります
・海馬を含め、記憶系脳番地の働きをよくするためには、ストレスを溜め込まないようにすることも重要
・何かを覚えたいときは、「覚えよう」と思うより「理解しよう」と頭を働かせるのが正解
・大人の場合、付箋を貼ったり線を引いたりして得られるのは、〝やった気分〟だけで、しっかり記憶に残すことはできない

●長期記憶、短期記憶
・一時的とは具体的にどのくらいの期間だと思いますか?2~4週間が一つの目安
エピソード記憶は無条件で長期記憶へと送られる
体験をベースとした理解は、先にも触れたエピソード記憶に理解を上乗せするような形で、長期記憶として保管されます
・海馬に「これは重要な情報だ」と思わせる方法が、あともう一つだけあります。それは、短期記憶に保管されている2~4週間の間に、その情報を繰り返し海馬へ送ること
・過去に学び長期記憶に入ったことは、すべて記憶として脳の中に残っています。しかし、長年使われなかったことで、記憶系脳番地は、その学んだ内容が記憶の保管庫のどこにあるのか探すことから始めなければなりません

●感情と記憶
・「これが好き」「この作業は楽しい」。ワクワクとしたポジティブな感情を浴びると、「これは重要だ!」と判断し長期記憶へとつながるルートを開放してくれるのです
・イヤイヤ勉強に取り組んでいるとストレスホルモンが分泌され、海馬が萎縮して記憶力の低下を招き
・忘れてはいけないのは、ワクワクとした前向きな感情で勉強に向かうことであって、勉強そのものを好きになる必要はない、ということ
・普通に勉強するよりも 25 ~ 50%の時間と体力で欲しい知識が記憶に入るわけです。  苦手なものに取り組むときほど、「好き」を近くに置いてセット化することで、脳が働きやすい環境を作ってあげるのが大切

●復習
・効率よく勉強をしたいならば、その日のうちに復習するのが鉄則
・復習専用のノートを作っておくことをおすすめします。ノートに要点をまとめる作業には理解系脳番地、運動系脳番地、視覚系脳番地を使うため、記憶に残りやすくなるからです
・復習ノートを使って、翌日には、自分が講師になったつもりで声に出してスピーチをします。これをすることにより、理解系、記憶系、伝達系、運動系、聴覚系と多くの脳番地を一気に働かせることができ、さらに記憶を強固なものにしていけます

●小さな接点をつくる
・勉強でも知識を深めたいと思っている分野でも、それに関するキーワードとあらかじめ顔馴染みになっておくこと。これが重要
・小さな接点をつぶすような難解な書籍や参考書、苦手意識を強めるだけの問題集は御法度
・ちっとも興味が湧かないし、全く理解できない。→ 聞いたことあるかも? くらいになれば、小さな接点が作れた証拠
・まずはパラパラパラッとページをめくり、単語なのか写真なのかはわかりませんが、自分の目が「これは知ってるぞ!」という反応を示したページを開き、その前後に書かれていることをまずは読んでみます

●連続性
・2時間(120分間) の勉強よりも 10 分間の勉強を 12 日間続けたほうが脳科学的にはかなり効率のいい勉強法なのです
・脳の連続性を維持していく上で、私が実践しているのは、常に勉強した内容をまとめたノートを持ち歩くこと

●脳の変化
・脳が新しい勉強を受け入れて、好意的に働き出すまでに必要な時間は、おおよそ 75 時間程度ではないかと私は考えています
・1日5時間ほど何かに取り組み続けると、 15 日間で 75 時間となり脳番地が変化。1日1時間勉強したなら、およそ2カ月半で 75 時間を達成でき、1日 30 分の勉強でも5カ月ほどで脳番地が成長します

●アウトプット
・そもそも脳は情報をインプットするときだけでなく、アウトプットのために取り込んだ情報を思い起こそうとしたときのほうがより強く記憶される「出力強化性」が備わっているため、記憶力の向上にもアウトプットは欠かせません
・テキストを読みながら、これを全く知識のない第三者に伝えるとしたら、どんな言葉でどう伝えるのがベストか。要点を3つにまとめて書き出すとしたらどう分類するのがいいか。そんなふうに、アウトプットを意識して文字を追うようにするだけで、さまざまな脳番地の連携がよくなり、脳が活性化していきます
・ノートにまとめたものを声に出して話すようにする、学んだことを第三者に説明するかのようにスピーチするといったアウトプット方法をおすすめしてきました
・一人芝居に慣れてきたら、そこに感情を乗せていきましょう

●視覚系が強い人
・視覚系が強い人は、文字による情報が入りやすいのが特徴です。耳から情報を聞いているだけでは記憶に残りにくいため、聞きながらメモをとって可視化していくことが大切
・目に見えるものから自分をやる気にさせていくのも一つのやり方として覚えておきましょう
・英単語は何度も声に出して呟いて覚えるのがベスト」と言われても、働きの弱い聴覚系脳番地を鍛えるトレーニングとしてはよくても、英単語を覚えるという目的に対してはベストな方法とは言えません。視覚系が強い人間にとっては、英単語を書き出して、文字の形を目に焼き付けるようにしっかりと見ることのほうが記憶には残りやすいのです
・視覚系が優位な方は、書きながら声に出して読む、書いたものをじっくり目で追いながら声に出して覚えることを試してみてください

●レアタイプ
・中には聞いても見てもうまく習得できないタイプの人がいます。このタイプに必要なのは、運動系を働かせて理解すること

●聴覚
・視覚系優位派、聴覚系優位派、どちらに属しているかにかかわらず、聴覚を働かせる習慣を持つことは、脳全体を活性化させる上でとても重要です。なぜなら、聴覚は視覚よりも記憶に直結し、記憶の一時保管庫である海馬にアクセスしやすいという特性があるからです
・眠る前に耳から情報を取り入れる聴覚を活かした勉強法はおすすめ

●運動系
運動系は脳全体を回すトリガーであり、運動をしないと頭が悪くなってしまう
・デスクワークが中心の人なら、1日の中で合計 60 分を目安に歩き
・より活発に脳を働かせて知的生産性を高めたい場合には合計 80 ~ 90 分くらい歩く時間を作るようにするのがいいでしょう。仕事中に身体を動かす機会があるようであれば、それとは別に 30 ~ 40 分歩くように
・仕事終わりで脳の疲労を感じているようなときは、なるべく人混みや店が立ち並ぶ通りは避けて目に入ってくる情報量を減らし、ボーッとしながら歩くことで脳の疲れを癒やし

●脳と期限
・脳には、デッドライン(期限) を設けたほうが働きやすくなるという特性があり
・脳にとって作業しやすい時間は 20 ~ 50分
・日頃から「この5分間で鞄の中身を整理する」「今から 15 分で身支度を整える」など、毎日のルーティンを時間を区切って行う習慣をつけるだけでも理解系を鍛えられる

●脳と疲労
・疲れているからこそ勉強して脳の疲労をとる」と考えるのが合理的。もちろん、仕事で酷使したのとは異なる脳番地を使うことが絶対条件
・勉強やデスクワークでは、視覚系脳番地が主力となって働きますが、ものすごい量の情報を処理しているとき、脳は大量の酸素を消費します。酸素不足に陥ると脳は苦しくなって「疲れた」「飽きてきた」というサインを出し始める
・いちばんいいのは、静かな場所で目を閉じて何もしないこと。視覚系脳番地を休ませ、情報を断つことが最高のリフレッシュ
・勉強や仕事の合間に、眼球を動かすちょっとしたトレーニングを習慣にしてみましょう

●ほか
・頭がボーッとするときには、まず運動することが大切
・自分が不得意だと思っていることも、実は、その脳番地を使う機会がこれまで少なかっただけで、意識して使うことで枝ぶりをよくしていけば、不得意が得意に変わることだってあり得ます
・脳の特性の一つに学んだことの最初と最後が記憶に残りやすいということがあります。復習をする際は、真ん中からと意識的に順番を変えることで、知識をまんべんなく身につけていくことができます
・あなたは、勉強直後に気分転換とばかりにスマホでニュースやツイッターなどを見てはいませんか?その行為こそが、後半で勉強したことが忘れやすくなる妨害行為なので気をつけましょう
・脳には、より最新の情報を上書きするような仕組みがあります。
・毎日、寝る1時間くらい前に、覚えたいことを振り返って、整理して