作者はTEDで話題となったマーケティング専門家と心理学者。
内容は「ある程度以上のお金を持っていても、幸福にならない」のでお金の使い方を変えたらどうなのかという話。
①経験を買う
②ご褒美にする
③時間を買う
④先に支払って、あとで消費する
⑤他人に投資する
購入した物が「物」なのか「経験」なのかをどう判断するんだろうと思ったら、車を買った場合に最初は高揚しても慣れて車のことを考えなくなるので「物」になるらしい。
ということは良い気分を感じ続けたら「経験」になるので、気分を感じられる余裕が大事なのかもしれないと思った。
メモ:
●お金
・住宅事情がよくても、彼らの全体的な幸福には影響がなかったのです。
・裕福な人ほど、人生の小さな喜びを味わえなくなる傾向があることがわかりました。
●経験
・でも、払ったお金に対して最も大きな喜びを得られるのはおそらく次のような4つの基準を満たすものでしょう。 ・他の人々と交わることによって、社会的なつながりが生まれるような経験。 ・この先何年にもわたって楽しい気持ちで繰り返し語ることができる思い出話につながる経験。 ・あなたが感じている自分という人間、あるいはあなたがなりたいと思っている自分像に密接に結びつく経験。 ・他の選択肢と簡単に比較することができないめったにないチャンスを与えてくれる経験。
・本の購入を経験的な買い物と考えている人は、本を買ったことを後悔しにくいと示唆しています。
・実際、経験的な買い物に対する満足感は時が経つにつれて増していく傾向があるのに対し、物質的な買い物に対する満足感は減少する傾向があるという研究結果が出ています。
●消費
・形のあるものは、時間と労力をかけて手に入れてもいったん自分のものになってしまうと価値が一気に下がってしまうのです
・消費を減らすことが、幸福を大きくする万能薬になるという説得力のある証拠はありませんが、消費パターンを変えると、少ないお金でより多くの幸福を得る道が開けるという研究結果が増えています。
・こうした楽しみが永久に手に入るわけではないと知っているときに普段よりももっと楽しみ、その満足感を増すことができるのです。
●飽き
・とても面白い番組でさえも、5~7分後には飽きてきて、楽しさが減少し始めます。そこにCMが入ると、適応プロセスが中断され、再び番組が始まったときには、私たちはまた番組の登場人物に恋するようになるのです。
●時間
・お金を使う前に、ぜひ「これを買ったら、私の時間の使い方はどんなふうに変わるだろうか?」というシンプルな質問を自分自身に問いかけてみてください。
・何か貴重なものは、通常不足しているように感じられるものなのです。時間に高額の価値があると感じると、人々は時間がますます不足していると思うようになります。
・時間の価値が高まると時間の希少性も高まるので、逆に、この貴重なリソースを手放すと、時間が豊かにあるという感覚を高めることにつながります。
・1日当たり 30 分以上テレビを見る人は、 30 分未満しかテレビを見ない人よりも、人生に対する満足感が低いことが明らかになりました。
・お金ではなく、時間を考えるようになると、人々は人とのつき合いやボランティアなどの幸福を促進する活動にいそしむようになるのです。
・対照的に、お金に関する選択は、しばしば、比較的冷静で合理的なやり方でものを考えるように私たちを導きます。時間に注意を向けると人々は幸福と人間関係を最優先させるようになります。
・人は遠い未来を抽象的にながめるとき、こんなことをしたらきっと素晴らしいだろうと考えます。ところが、近い未来について考えるときには、実行可能かどうかに重点を置いてしまう傾向があります。
●先に支払う
・いま消費してあとで支払うというパターンの普及は、幸福にとってはむしろ有害な場合があります。それとは逆の原則──いま支払って、消費を先送りする──に従うと、使ったお金に対してもっと多くの幸せが得られるのです。
・富をちょっと思い出させるだけでも、人生のささやかなご褒美を楽しめなくなるのです
●他人に使う
・ものを買うことから経験を買うことへ、自分のために使うことから他人のために使うことへ移行すると、幸福度に劇的なインパクトを与えることができるのです。
・たった5ドルでも、だれかのために使うと自分自身の幸福度が高くなることが示唆されます。
・「自分の仕事が他の人々の人生によい影響を与えると感じている」といった文章に同意した人たちは、職場で心の疲労を経験することが少ないことがわかりました。
・チャリティーにお金を寄付する人々は、収入を調整したあとでも、そうしない人々よりも自分は裕福だと感じると答えています。