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ファンをつくる力 デジタルで仕組み化できる、2年で25倍増の顧客分析マーケティング

作者はDeNAプロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」のマーケティングを担当。

 

元々DeNAでゲーム開発の仕事をしていた作者だが、社内異動でスポーツビジネスに携わることになる。

バスケットボール自体は競技人口が多く、男女比が半々で、屋内でできるというビジネス上のメリットが多いスポーツだという。

ゲームの仕事と同じようにデータを集めようとすると、スポーツ分野はマーケティングデータがほとんど無い。そこでデータを集める仕組みづくりから始め、データをもとにイベントや企画を仕掛け、SNSを使ってファンを増やす仕組みづくりをおこなう。作者が携わってから売上、ファン数ともに増えている。

 

内容がリアルで具体的、読みやすくて面白かった。

とくに、データ収集は目的を明確化すること、SNSの特徴ごとに投下するコンテンツを変えること、ファンの階層によって体験できるものを変えるなど。言われると当たり前かもしれないが、具体的でわかりやすかった。

 

スポーツビジネス以外でも、SNSの活用やセグメントごとの体験設計など、参考になる部分は多いと思う。

 

 

メモ:

●データ収集
・時間やコストの浪費を避けるためにも、データ収集の前に目的を明確化するべき

●セグメント

・どんなサービスにも様々な深度の顧客がおり、セグメントごとに体験を設計することが重要
・ファンのセグメントごとにUXをデザインするという話をしましたが、それはデジタル施策でも同様

●戦略
・そこで、各業界をリサーチして、参考になる事例を見つけることに取り組んでいます。それぞれの事例からエッセンスを抽出して、自分のなかでストックして
・極論、戦略のキモは「やらないことを決める」部分にあります。考えられる「やった方がよいこと」をすべてやるのではなく、本当に大切なこと以外を切り捨てる。それを判断するためにデータが必要
・業界内の他社よりも半歩早く動く。それにより挑戦領域における業界の第一人者として、キーマンと戦略的に提携することができ、垂直成長させることが可能になる
・しかし、最も重要なのは各施策を全体戦略の中で、どういう目的で、どういう役割として活用するのかを決めること

●ファンづくり

・実際に体験することもポイントだと考えています。楽しいなとか、感動したとか、腹が立ったとか、そういう「感情」が揺れ動くところに学びがある
・コラボする理由やストーリーがあることが重要

SNS

・SNSの「いいね!」、動画の視聴、関連した投稿などの行動すべてを価値あるActionとして捉え直すことが必要
TikTokは短尺ゆえにプレー面での訴求が効果的ですが、YouTubeは長尺なので企画系動画やハウツー動画、ドキュメンタリーなどの選手の人柄も伝わる動画を投稿しています。LINEはブロックされないように有用な内容のみに絞り、TwitterInstagramストーリーでは即時性のある情報を多投し
・ファンになっていただく上で、等身大の姿を見せることは重要だと考えています。作り物ではない、親しみの持てる存在として認識されなければなりませ
・投稿する際には、視聴ユーザーにどんなコメントを書いてもらうか想定することも重要
・賛否両論の動画によって論争をあえて起こすことで、コメントが集まりやすい環境を作ることができると、それに伴い再生回数も上がっていく
・エンタメは好きになればなるほど、コアコンテンツではない裏側や世界観が気になるようになり
・組織の1人が1つの領域を任されたとき、その代表的なKPIをひたすら伸ばそうとしてしまいがちです。例えば、YouTubeの担当になった人は月間総再生数をひたすら伸ばそうとするでしょう。Twitterの担当になった人はひたすらフォロワー数を伸ばそうとするでしょう。そういう部分最適の思考は、ファンづくりを阻害してしまい