読んだ備忘ログ

本とマンガの読書感想ブログ

文章は接続詞で決まる

作者は、国立国語研究所の教授。

文章を書くためのハウツー本ではなく、さまざまな接続詞をこまかく解説している。国語教師や日本語教師にオススメ。

文章の書き方を知りたい人には必要のない本だが、読むと文章の構造が分かり、解像度があがる。

 

普段、何気なく使っている接続詞だが、言葉で明らかにされると「なるほど」と思わされる。面白かった!

 

メモ:

・接続詞は読み手の理解の負担を軽減するもの

・本書では、接続詞を大きく四つのタイプに分けます。「論理の接続詞」「整理の接続詞」「理解の接続詞」「展開の接続詞」です。また、特殊なものとして「文末の接続詞」と「話し言葉の接続詞」を取りあげ

●いろいろな接続詞

・「そして」には最後に一つ、大切な情報をつけ加える働きがあるの

・もし時間をかけて文章を書けるのであれば、「また」を減らす工夫をするのが望ましいでしょ
・共通点を見せたいときは「また」、相違点を見せたいときは「一方」を使えばよいわけで、硬い文章を書くときにはとても便利

・「ちなみに」で示す場合、間接的にでも読み手の役に立ちそうな情報を入れることが大切

●ほか

・文章では、読み手が抱きがちな先入観をあらかじめ否定して、読み手に「えっ?」と思わせておいて、それに代わる肯定表現をあとから導入して自説を印象づけるというレトリックがしばしば用いられ

・対話で使われる接続詞は、その場の空気を転換させ、話し手が主導権を握るために欠かせないもの

・その人のよく使う接続詞がわかれば、その人の隠れた性格もわかるの

・論理重視の書き言葉の接続詞にたいし、話し言葉の接続詞は感性重視が特徴

・接続詞をつけることによって起こる弊害は五つあります。 ① 文間の距離が近くなりすぎる ② まちがった癒着を生じさせる ③ 文章の自然な流れをブツブツ切る ④ 書き手の解釈を押しつける ⑤ 後続文脈の理解を阻害

・文章の流れを切りたくないときに接続詞を使わないというのは鉄則

・一般に小説家は接続詞を嫌い

・接続詞はつけないのが普通で、つけると読み手の理解に大きな影響を及ぼすので、つけるかどうかは慎重に吟味することをお勧めし

・接続詞を使うさいには、書き手と読み手が同じ文脈で理解できるように表現を調整するということが、誤解を生まない接続詞使用のための重要なポイントになり