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Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法

全米ベストセラーらしい。

作者はアメリカの大学教授。テレビ出演時に脅迫文が届いた事で我を失い、その経験から「頭の中のひとりごと」をコントロールする方法を紹介している。

「頭の中のひとりごと」を主人公視点で見ているとズブズブとハマってしまうので、色々な方法で距離を取ったり視点を変える事を勧めている。

 

面白かったのは、
悩みを人に話すのは良い事だと言われるが主観のままだと良くなく、最終的に距離を取る思考に行きつかないと良くないという事。

私自身、人の悩みを聞く機会が割と多くて、聞くだけだと相手の悩みが延々続いて毎回同じ悩みを聞く羽目になり困っていた。距離を取る思考を与えないとダメなのかと参考になった。

また、プラセボの理論を知ってプラセボを行うと効果があるという事。効くと思うと効くらしい。
他にも儀式や畏怖の念、自然、疑似自然でも効果があるという事も面白かった。

 

メモ:

●チャッター
・チャッターを構成するのは、「循環するネガティブな思考と感情」

●いまここ
・人間は、いかなるときも「いま」にしがみつくようにはできていない
・息をするように自然に、私たちは「いま、ここ」から「離脱」し、過去の出来事、想像上のシナリオ、その他の内面の黙想へと脳によって導かれる。こうした傾向はきわめて基本的なので、「初期状態(デフォルト)」という名前がついているほどだ

●内なる声
・人間の脳が持つ一つの奇癖は、およそ 10 人に一人が、声が聞こえるとそれを外部要因に帰するところ
・人の気分は、何をしたかではなく、何を考えたかによって決まる
・私たちが感情に圧倒されているとき、内なる声は一つには次のようなことをする。私たちが出くわす障害だけに注意力を向け、それ以外のほぼあらゆることを無視するよう仕向ける

●チャッターの影響
・私たちは考えるだけで、慢性的な生理的ストレス反応を起こすことがある。そして、内なる声がそのストレスを煽ると、健康に破壊的な影響が及ぶ場合が
・つまり、チャッターはさまざまな精神疾患の根底にあるという
・私たちの内なる会話が時とともに頻繁に脅威システムを作動させると、細胞にメッセージが送られ、炎症遺伝子が発現

●人に話す悪影響
・動揺すると、人間は他人と感情を共有したいという衝動に駆られる
・私たちの大半が話したり相手の話を聞いたりする普通のやり方だと、チャッターを減らす役目をほとんど果たさない。それどころか、しばしば状態を悪化させる

●視点
・別の実験では、想像すると苦しくなる映像の大きさを縮小するだけでも、その映像を見た人びとの動揺を抑えられることが証明された
・一歩引いてみることは、日々のさまざまな状況でチャッターを管理するのに有効である
・研究によれば、人びとが困難に遭遇しているときに、その翌日ではなく10 年後にそれについてどう感じるかを想像することは、自らの経験を広い視野で見るためのきわめて有効

●触る
・1 秒肩に触れるだけで、自尊心の低い人びとが死についての不安を抱きにくくなり、他人とのつながりをより強く感じることがわかったさらに驚くべきことに、テディベアなどの安らぎをもたらす無生物に触るだけでも効果がある
●自然
・つまり、やや誇張を交えて言えば、緑地は、敏腕セラピストと、老化予防の妙薬と、免疫系活性剤の機能を一手に引き受けている
・信じ難いことではあるが、仮想的自然も、人間の心に関する限り、自然であることに変わりはない

プラセボ
・縁起物やお守り、癒す人の存在(シャーマンや信頼厚い医師など)、特別な環境といったプラセボが楽にしてくれると信じていれば、実際にそうなるという研究結果が、続々と明らかにされている
プラセボパーキンソン病にさえ
・片方にはプラセボの科学について知らせた。実際には「その薬が効くと思えば、効きます」と伝えた(非欺瞞的プラセボ
・非欺瞞的プラセボによって、アレルギー症状、背中の痛み、注意欠陥多動性障害鬱病の症状が改善することがわかっている

●儀式
・内なる声が軽減されることが、研究から明らかになっている

●自分だけで実践できる方法
・困難な状況を切り抜けたいときは、自分を指すのに、名前や二人称の「あなた( you)」を使おう
・友人に助言していると想像しよう。
・視野を広げよう
・急に呼吸が速まったり、動悸がしたり、手のひらに汗をかいたりするのは、身体による妨害ではなく、試練に立ち向かうための応援なのだと、自分に言い聞かせよう
・距離をとり、視野を広げるために、いまから 1 カ月後、 1 年後、あるいはもっと先に自分がどう感じるか考えてみるのも一法
・不快な経験について考えるとき、頭の中で出来事を視覚化し、壁に止まってその場面を見下ろすハエのように「こっそり他人を観察する」視点から見て
・思ったままを書いてみよう
・お守りを握りしめる、あるいは迷信を信じよう
・儀式を行なおう
ソーシャルメディアの受動的使用を最小限にしよ

●他者に関わる方法
・相手の苦労を共感をもって認めるだけでなく、相手の視野を広げ、希望を与え、経験を普遍化することが必要
・目に見えない形で支援しよ
・愛を込めて(敬意も忘れずに)触れよ
・状況は改善するという楽観的な見方を助言する相手に伝え、チャッターに関する見込みを変えさせよう

●環境による方法
・職場や自宅を片づける、リストをつくる、周囲にあるいろいろな物を整理
・緑地をもっと活用しよう
・畏怖を誘う経験を求めよう