作者は、「開成・東大・司法試験一発合格」の弁護士。
暗記の具体的なやり方というよりは、考え方や前提を教えてくれる本。対象は受験勉強や資格試験の勉強。
この本で暗記の考え方や前提を押さえたうえで、いろいろな暗記術の細かいメソッドをやると速いだろうと思う。
特に参考になったのは、暗記は繰り返しが必要なので、少しずつ暗記するのではなく、大量に暗記して・忘れて・何度もまわすということ。言われると確かに…となる。
また、私自身の試験勉強で、綺麗な字を書くより書きなぐった方が暗記が進むと感じていて、同様のことが書いてあったのが、答え合わせできてよかった。
メモ:
●大事なところを把握する
・試験に受かるためにイチから勉強を始めようという人が、 まずやるべきは「過去問」
・なんなら 答えを見ながら問題を解いても構いませ
・最も重要なのは、 これから何をやらなければならないのかの本質がわかる こと
・具体的にはいちばん 基礎的な薄いテキストを選び、わかる/わからないは別として、とりあえず最初から最後まで通しで読んでしまい
・試験勉強も同じで〝大事なところから〟手をつけるべきです。 試験に受かるための〝大事なところ〟とは、ほかでもない「試験にしょっちゅう出るところ」や「配点の高いところ」
●参考書の選び方
・周囲の合格者が全員「これはおすすめだ」と言っていたら、それで間違いありませ
・単語集などの暗記本を選ぶときには、気をつけて欲しいことがあります。 収録されている語彙や知識が「多すぎる」 ケース
・単語集や暗記本は 収録語彙・知識が絞られているものほど、選ぶ価値がある と思って
●暗記の時間
・「知識を入れる」ということで言えば、 20 分が限界だと思い
・1日1時間を暗記に充てるなら、朝・昼・夜に 20 分ずつ計3回に分けましょ
・まとまった勉強時間が確保できるなら、過去問を解くなど別の勉強に充てるほうがはるかに有効
●暗記の方法
・原稿を暗記するには「ナガレ」と「カタマリ」で覚え
・原文のコピーを用意して、 蛍光ペンなどでカタマリごとにくくり、出だしの言葉を鉛筆で乱暴にぐるぐる囲ったりして強調すると、原稿が〝図〟としても認識され
・なるべくたくさんの部位を総動員して頭に入れるほうがよく覚える ということです。少なくとも暗記本を睨むだけより声に出して読む方が、よく覚えるのは確か
・「インプット」のときには必ず音読するにしても、思い出せるかどうかを確認する「アウトプット」のときはパッと出てこない知識だけを音読すれば十分
・語呂合わせは感性とインパクトが命で、映像化がカギ。既存のものよりも、自分なりに工夫して考えたものがいちばんよく覚え
●ほか
・具体的には「忘れては思い出し、忘れては思い出し」を何度も繰り返す
・大事なのは、「自分が覚えていない知識」を把握し、リストアップすること
・理解の枠組みができる前に暗記モノを手掛けるのは、まったく効率的ではない
・「決めたノルマをきっちり覚えられる」ということは、まだ余力が残っている証拠 であり、暗記の量を増やす効果にはつながりませ
・「何時から何時まで勉強する」という〝時間割〟ではなく、「テキストを◯ページやる」「知識を◯個覚える」といった〝進捗割〟にする こと
・テキストに線を引くほど暗記できませ
・その日に覚える知識だけを1枚の用紙に書き出して持ち運ぶ方が合理的ですし、覚えた後にはその紙は役目を終え
・もう1つの理由は、書き文字の太さや大きさがバラバラなこと自体が、知識を引っ張り上げる〝とっかかり〟になるということ