読んだ備忘ログ

本とマンガの読書感想ブログ

佐久間宣行のずるい仕事術

作者は、テレ東の元社員で現在はフリーのテレビプロデューサー。「ゴッドタン」などを手掛けている有名人である。

 

有名なので私も顔と名前はなんとなく知っており、豪快な奇才という印象を持っていた。たまたまテレビで佐久間さんが早大卒と知り、ニコニコ楽しそうだけど意外と緻密なのかな?と興味をもって購入した。

無茶苦茶面白い。論理的で賢くて柔軟。佐久間さんのイメージがくつがえる。買ったその日に読み終えてしまった。

 

内容は至極まっとうで、当たり前のことをちゃんとやっている。当たり前のことって、とかく退屈だったり綺麗ごとに見えるのに、文章にリアリティがあって面白い。

構成は1つのテーマが数ページで読みやすく、佐久間さんの実例が書かれているのでわかりやすい。

タイトルの「ずるい仕事術」から想像するものとは違い正統派。社会人ならとりあえずこれ1冊を読んでおけば何とかなるのでは。

 

この本が向いているのは仕事をするすべての人。
新入社員には「仕事術編や人間関係編」、重要な仕事をやるようになってきたら「チーム編やマネジメント編」が参考になると思う。「メンタル編」はすべての人に。

 

個人的な感想としては、私もこの本の「仕事術」「人間関係編」と似た事をわりとやっていて、お陰で仕事の人間関係で困ることはなかった。上司に指名されたり、良い条件を提示されたこともある。辞めた後も「いつでも戻って来てよ」と言われたこともある。
逆に超高学歴の人がこれをやってなくて上司と対立しているのを見かけたこともある。
やれば誰でもできるけど意外とみんなやらないので、響くものがあればやってみるといいと思う。

 

ちなみに、このサイトで仕事術をベースに質問に回答しているので、本のエッセンスを感じるのにいいかも。

diamond.jp

 

目次:

第1章 仕事術編
1.「楽しそう」を最強のアピールにする
2.「雑務」こそチャンスに変える
3.「まだ早い」をあざとく使え
4.「チャンス」のためにはイヤでも謝る
5.合理的最強ツール「ホウレンソウ」を使い倒せ
6.相談のゴールは「解決」にする
7.「すぐやる人」が結局残る
8.会議は「事前準備」で勝て
9.会議後の「5分」で差をつけろ
10.「他人の成否」を予想する
11.「社内初」はローリスク・ハイリターン
12.「キャリア相談」は相手を選べ
13.会社に「合わせすぎない」
14.「らしくない仕事」をやってはいけない

第2章 人間関係編
1.「メンツ地雷」を踏んではいけない
2.コミュニケーションは「最短距離」より「平らな道」
3.「横柄な態度」はコストが高い
4.「コント:嫌いな人」でバトルを避ける
5.「合わない上司」は分析してみる
6.「褒める」は最強のビジネススキル
7.「陰口」はコスパが悪い
8.会社に「友だち」はいらない
9.「付き合いの悪いヤツ」でいい

第3章 チーム編
1.自分の「キャラ」を理解する
2.「ちょっと無理」をする
3.「お前ならできる」をうのみにする
4.ビビらず「アピれ」
5.「着たい」しすぎてはいけない
6.「イラついている実力者」と組め
7.「価値観の違うメンバー」で保険をかけろ
8.ときには「自分でやったほうがいい病」になる
9.「リスク管理」をする

第4章 マネジメント編
1.「リーダー」はだれより本気で動け
2.「身内」にこそ気を遣う
3.「会議」ではプライドを利用する
4.「叱り方」にはコツがある
5.空回りしたら「説明不足」「負担超過」を疑え
6.「問題児」には先手を打つ
7.人を責めずに「仕組み」を変える
8.部下の仕事は「引き取らない」

第5章 企画術編
1.企画書は「ラブレター」
2.佐久間流発想術1「反転法」
3.佐久間流発想術2「掛け合わせ法」
4.企画人は「自分だけの『原液』」を混ぜる
5.「おもしろさの核」を相手に伝える
6.企画こそ「仕組み」でつくれ
7.「自分のキャラ」を利用しろ
8.「ラブレター」を渡すには?
9.「稼がなくていい企画」なんてない
10.「いい失敗」をする
11.ダラダラ「負け続けない」
12.「インプット」し続ける
13.苦しいこともいつか必ず企画になる

第6章 メンタル編
1.「メンタル」第一、「仕事」は第二
2.給料分働けば十分「プロ」
3.期限を区切れば「無敵」になれる
4.悩みは「因数分解」で考える
5.会社ではときに「エゴ」を貫け
6.「運」を味方につける
7.無気力なときは「再生産」を疑え
8.「省エネモード」があっていい
9.「奇跡」を信じる

 

メモ:

・でもキャリア選択に一般論を取り入れたら、みんなと同じキャリアしか築けない

・「コント:嫌いな人」で バトルを

・相手を褒めるということは、コストがかからない最強のビジネススキルでもある。 なぜなら 褒めるというのは、相手の武器がわかることでもあるからだ

・「そんなに努力していないのに、やたら褒められる(感謝される、驚かれる)」。 そんなところに、あなたの才能が隠れている

・夢に潰されないために大切なこと。それは「分解」 だ。 自分の夢を分解し、「具体的な目標」に置き換える

・夢はそのくらい地に足がついた目標に置き換えられると、心の病みを避けられる

・クールなスタンスをとっていたり、「ほかの仕事よりラクそうに見えただけ」なんて軽い動機でやって来た人のほうが、夢が大きな人よりしぶとくて、結果的に活躍する。できること、できないことを振り分けて、淡々と職務をまっとうしようとするからだろう

・チームのパフォーマンスは、ポジティブなフィードバックにかかっているのだ

・自分の「言いたいこと」よりも、企画書の読者(上司や会社) の「知りたいこと」を優先して入れ込むことが、採用率を大きく上げるポイント

・自分の感覚を信じずマーケットばかり見ていると、絶対途中で冷めてしまう

・「それのなにがおもしろいのか」をひと言で表現できるようにしておきたい

・当事者でない人が想像でつくる企画は、ステレオタイプに陥りがちで、どこかズレる

・「真剣」にはなっても、「深刻」になってはいけない

・大切なのは「なにが続くと自分の心は折れるのか」を把握すること

・自分と仕事の優先順位を決して逆転させないこと。ここは頑固になっていい

・期限を決めてゴールを設定し、そこまでは全力で努力してみる ということだ

・みんなのために「いいこと」をするのではなく、自分のために「わがまま」を突き通す。 職場の正当な不平や不満は、そんなエゴで潰していこう

・僕は運とは、信用の積み重ねだと思っている

・これは 目の前の仕事に、目標達成のために必要な要素を足していくイメージ

・ちなみに、明らかに省エネモードで働いていると、「佐久間にこの仕事は向いてないんだな」と判断されて、その仕事からは割と早くにリリースされることが多い

・「仕事が退屈」 「つまらない」 そんなときは自分が行動することでしか解決できない