読んだ備忘ログ

本とマンガの読書感想ブログ

心。

心。

心。

 

京セラの創業者でJALを再建した、稲森和夫さんの本。


本の最初に書かれた以下の文章が、この本の内容。

「いま多くの人たちに伝え、残していきたいのは、おおむね一つのことしかありません。それは、『心がすべてを決めている』ということです。」

 


読むと正論で真っ当。
そのため、一部は綺麗ごとのように思えるけど、経営者として心を保つために、稲森さんはこういう考え方をしてると捉えると読みやすい気がする。

 

 

例えば企業体力のないときに利他の心と言われても無理だし、でも、混乱して自分を見いだせないときに利他の心を持てば楽になるだろうし。

人として色々な経験をして達観すると、こういうところに行きつくのかなという気がする。

なので、人として中途段階の私には、心を保つためにあなたはどんな考え方をしますか?と問われてる気がする。(本ではそんなことを全然言ってないけど)


すっと読めて面白かった。

 

 

 

 

メモ:

・そうした〝燃える闘魂〟もまた、善なる動機に基づいた目的の成就に必要なもので、やさしい利他の心に裏打ちされてこそ、揺るぎのない強固なものになるのです。

・災難が降りかかるときは、過去の業が消えるときなのです。それぐらいのことで業が消えるのですから、お祝いしなければなりませんな」といわれたのです。

・物事が少しばかりうまくいってまわりからちやほやされると、心がゆるみ、まるで糸の切れた 凧 のようにどこまでも舞い上がってしまうのが、私たち人間の性というものです。  それが続くと知らずしらずのうちに傲慢になり、また他人にも横柄な態度をとってしまう。人生の道を踏み外す元凶となるのは、かならずしも失敗や挫折ではなく、成功や称賛なのです。

・私たちが自分のものと考えているものはみんな、現世における一時的な預かりものにすぎません。また、その真の所有者がだれであるのかを私たちは知る由もない。

・そのように仕事に全神経を集中させていると、心から雑念が消え、無心に近くなることがありました。修行僧が座禅の最中に「無」の境地にいたるように、思考の 夾雑物 が頭からきれいに拭われて、まっさらな心の状態になるのです。

・心が引き寄せないものはやってこないという法則はここでも同じで、他人を欺いたりだましたりするような人が近づいてくるとしたら、自分の中に同様の心があるからなのです。

・そうはいっても、悪しき心をもつ人が現れたらどうするか。もっともよい方法はかかわりをもたずに離れていくことです。

・よくないのは、そうした行為に対してこちらもあれこれと対策を講じ、相手をおとしめようと権謀術数をめぐらせること。そのような行為をしたとたん、自分の心も相手と同様に汚され、同じレベルにまで落ちていってしまいます。

・私はまわりの幹部や関係者に、こうした悪しき声にはいっさい耳を傾けるな、相手にするなと命じました。そうした相手に対して反論しようとしたり、打ち勝とうと思ったとたんに、こちらの心も汚れてしまうからです。

・急激に巨大になりすぎたものはその成長がピークに達すると、「調和をもたらす」という宇宙の流れによってかならず崩壊、衰退させられる。そして再び、ほどよい状態、本来あるべき姿へと軌道修正させられるわけです。

・経営というものは、現場を知らずしてできるものではありません。

・よき心によってなされる行為には、かならずやよき結果がもたらされる。そういう心をもって仕事に従事することは、それぞれの人生という畑に幸せの種をまいてくれるものだ、といったこともお話しした。

・とくに経営者にとって必要なのは、けっしてあきらめない 強靱 な意志、どんな状況の中でも活路を見いだすネバーギブアップの精神です。

・正しいことを貫こうとするとき、「それはいいことだ」と後押ししてくれる人よりも、「何を正義ぶって」と 誹謗 中傷したり、足を引っ張ったりする人のほうがはるかに多いものです。それでも、正しいことは正しいままに貫く覚悟が必要です。

・「何か問題が起こる。その解決策を探る。そのとき、すぐに頭に浮かぶ考えというのはすべてといっていいくらいエゴや欲望や感情に基づくものだ。よほどの聖人君子でないかぎり、善悪による判断を直観的に下すことはできない。だから、最初の思いつきをそのまま結論にするのではなく、『ちょっと待てよ』と、いったんその判断を脇に置き、善悪のものさしにしっかり照らして、あらためて問題を考え直してみる。 誤謬 なき決定のためには、そのようなワンクッションが必要なのだ」

・経営の現場で働いていたとき、私が次のリーダーとしてふさわしいかどうか判断する基準としたのは、どんな〝心根〟をもっているかということでした。

・けっして人格は不変なものではなく、変化していくのだということも、頭の隅にとどめておかなければなりません。

・どのような人がリーダーにふさわしいのかといえば、つねに勤勉さをもって仕事に身を 捧げ、自らの心を高めつづけている人でしょう。そのような人であれば、権力を握ったとしても傲慢になったり堕落したりはしないはずです。それはつまり、人生を生きるにあたってすばらしい哲学をもっているということです。

・リーダーにもっとも大切な資質は何かと問われれば、私は迷いなく、それは〝心〟であると答える。あるいは人格、人間性といいかえてもよいかもしれません。

・そのためにできる一つの方策は、一日のうちわずかでも、心を静め、おだやかに保つ時間をとることです。