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幸せになる勇気

幸せになる勇気

幸せになる勇気

 

前作「嫌われる勇気」(アドラー心理学)の続刊。
前作に登場した青年と哲人の三年後という設定になっている。

前作は自分自身や一般的な対人関係について書かれていたが、今作は教育や愛という少し踏み込んだ対人関係について書かれている。

 

ただ、前作を踏まえての派生なので、前作を読んでからがオススメ。
内容が、今作のほうが読みやすい…のは、前作を理解してるからなのか、前作の書き方が難しめだったせいか、どっちだろう。。。
今作のほうがアドラー心理学のキモである共同体感覚について分かりやすいので、前作とセットで読むといいかも。

 

特に今作は教育者、子供や部下がいる人が読むと面白い。

 

 

簡単にまとめると…


教育現場や上下関係のあるところでも、対人関係は「尊敬」から。
相手のありのままに価値をおき、相手を信じること。
人は自分のことを信じてくれる人しか信じないから。

人は自分を好きでないと他者を信じられない。
つまりまず自分を好きになることから。(…この辺は前作に詳細)

 

 

 

 

メモ:

●可哀想な私
・理想には程遠い「いまの自分」を正当化するために、自身の過去を灰色に塗りつぶしておられる。
・われわれが語り合うべきは、まさにこの一点、「これからどうするか」なのです。「悪いあの人」などいらない。「かわいそうなわたし」も必要ない。

 

●叱責
・叱責を受けたとき、暴力的行為への恐怖とは別に、「この人は未熟な人間なのだ」という洞察が、無意識のうちに働きます。

 

●リーダーと褒賞
・つまり人々は、リーダーの人格や思想信条を支持しているのではなく、 ただ「ほめられること」や「叱られないこと」を目的として、従っているのです。
・こうして共同体は、褒賞をめざした競争原理に支配されていく ことになります。ほどなく子どもたちは、「他者はすべて敵なのだ」「人々はわたしを陥れようと機会を 窺う、油断ならない存在なのだ」というライフスタイルを身につけていく でしょう。

 

●自己承認
・他者からの承認を求めるのではなく、 自らの意思で、自らを承認する しかないでしょう
・「普通であることの勇気」が足りていない のでしょう。ありのままでいいのです。
・「人と違うこと」に価値を置くのではなく、「わたしであること」に価値を置く のです。それがほんとうの個性というものです。

 

●仕事
・そうした「この人と一緒に働きたいか?」「この人が困ったとき、助けたいか?」を決める最大の要因は、その人の誠実さであり、仕事に取り組む態度なのです。

 

●教育者
・教育の目標は「自立」であり、教育者の成すべき仕事とは「自立に向けた援助」である。
・子どもたちの決断を尊重し、その決断を援助する のです。そして いつでも援助する用意があることを伝え、近すぎない、援助ができる距離で、見守る のです。
・どうやって子どもたちの自立を援助するのか? この疑問に対してわたしは「尊敬からはじめよ」という話をしました。
・尊敬とは「ありのままのその人を見ること」であり、「その人がその人であることに価値を置くこと」なのだと。
・ たとえその人が嘘を語っていたとしても、嘘をついてしまうその人ごと信じる ことです。
・われわれは「自分のことを信じてくれる人」の言葉しか信じようとしません。「意見の正しさ」で相手を判断するのではないのです。

 

●好き嫌いと信じること
・いずれも「相手のことが好きか嫌いか」が問題なのではなく、「いまの自分を好きなのか」が問われているのです。
・あなたはまだ、自らを好きになることができていない。そのため他者を信じることができず、生徒たちを信じることもできず、交友の関係に踏み出せずにいる。
・われわれ人間は、わかり合えない存在だからこそ、信じるしかない のです。

 

●物欲と恋
・どうして手に入れた途端に飽きるのか? あなたはドイツ製のカメラで「撮影したかった」のではありません。 それを獲得し、所有し、征服したかっただけなのです。……
・「恋に落ちること」は、 本質的には物欲と同じ です。

 

●幸福
・人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである。そして人間の幸福もまた、すべて対人関係の幸福である。
・すなわち、「幸福とは、貢献感である」 と。
・「わたしは誰かの役に立っている」という主観的な感覚があれば、すなわち貢献感があれば、それでいい。

 

●わたしたち
・利己的に「わたしの幸せ」を求めるのではなく、利他的に「あなたの幸せ」を願うのでもなく、 不可分なる「わたしたちの幸せ」を築き上げること。 それが愛なのです。
・愛を知り、人生の主語が「わたしたち」に変わること。これは人生の、あらたなスタートです。 たったふたりからはじまった「わたしたち」は、やがて共同体全体に、そして人類全体にまでその範囲を広げていく でしょう。 それが共同体感覚です。

 

●運命の人
アドラーは「運命の人」をいっさい認めません。
・こうして過大な、ありもしない理想を持ち出すことによって、生きた人間と関わり合いになることを回避する。それが「出会いがない」と嘆く人の正体 だと考えてください。
・あなたにできることは、課題を分離し、 ただ自分から先に愛すること、それだけです。
・われわれはいかなる人をも愛することができる のです。
・誰かを愛するということはたんなる激しい感情ではない。 それは決意であり、決断であり、約束である

 

●別れ
・すべての出会いとすべての対人関係において、ただひたすら「最良の別れ」に向けた不断の努力を傾ける。 それだけです。「いま、ここを真剣に生きる」 とは、そういう意味です。

 

●運命
・われわれは未来が見えないからこそ、運命の主人になれる のです。
・運命とは、自らの手でつくり上げるものなのです。