読んだ備忘ログ

本とマンガの読書感想ブログ

炭水化物のすべて

炭水化物のすべて: 山本義徳 業績集1
 

数々のアスリートを指導してきた筋肉博士の本。
なのでアスリート向け。
健康食品の嘘もわかるので、食品関係の人もいいかも。
ただ、内容はとにかく細かい…

 

ものすごく細かい。
専門家向けの単語が多いので、慣れてる人かよっぽど好きな人じゃないとしんどいと思われる。

私は大学で生物化学や食べ物の代謝を勉強したことがあるので割と慣れてるけど、それでも読んでて結構しんどい。

 

そういう意味で本気で勉強したい人にはオススメ。

シリーズものの本で、炭水化物以外にも様々な栄養素や体内物質について出版されてるので、一通り読むと面白そう…だけど、細かくて気合がないと読むのがしんどいな…

 

 

 

メモ:

・果糖の解糖系における代謝は歯止めが利かず、すべてアセチル CoA になります。そして余ったアセチル CoA が、中性脂肪を増やすという流れになります。 このように、 果糖はいったん吸収されると、グルコースよりも遥かに早く代謝されます。 また肝臓での代謝が主ですので、 筋グリコーゲンを増やすこともできません。

セロトニンを増やすような「単調な運動の繰り返し」を行なったり、トリプトファンを摂取したりすることで、満腹感を偽装することが可能です。

・ この「糖分を送り込む」作用を、インスリンが担っているのです。またアミノ酸を筋肉に送り込む作用も持っています。

・ワークアウトドリンクに大量の糖質、アミノ酸プロテインでも可)を溶かしこみ、運動中に飲み切ります。 そして運動終了直後に、アミノ酸を摂取します。 運動終了直後は血流が筋肉に行っており、交感神経が興奮しているため、消化能力が低くなっていますので、ここでは消化の必要がないアミノ酸を摂取するわけです。 運動終了後、数十分すれば胃腸に血流が戻り、交感神経の興奮も収まりますので、その辺りで「糖質+プロテイン」 を飲みます。 そこからさらに1 時間ほどしてプロテインが消化されたあたりで、高糖質、高タンパクの食事をするのです。

・運動中はアドレナリンやグルカゴンなど、血糖値を高めるホルモンがふんだんに出ていますので、低血糖にはならない のです。 ただし運動の少し前に砂糖の多い菓子を食べたりするのは NG です。運動前はアドレナリンもグルカゴンも出ていませんから、低血糖になってしまって運動の妨げになる可能性があります。糖質のドリンクは運動が始まってから飲むようにしましょう。

・「インスリンの出方」を数値で表したものを、「グリセミック・インデックス」と呼びます。 グリセミック・インデックス (glycemic index) を略し て GI 値とも呼びます。

・GI 値にはバラツキが多いのですが、これには幾つかの理由があります。 ブドウ糖ではなく、食パンを基準にしている。 通常はブドウ糖を基準に計算するのですが、食パンを主食としている国では、食パンを基準にして計算してしまっていることがあります。 種類や季節によって変動する。たとえば同じバナナでも、まだ青いバナナと、熟したバナナとでは数値が違ってくる。 調理法でも変動する。たとえばニンジンの場合、調理する と 80 以上だが、生だ と 30 程度。パスタの場合、アルデンテだ と 40 程度だが、良く茹でる と 60 近くになる。

● GI 値というのは「単品での数値」だということです。つまり GI 値の高い食品でも、一緒に油ものを食べたり、繊維質の多いものを食べたりすれば、全体としての消化は遅くなります。するとインスリンの分泌もゆるやかになるため、その食事全体として の GI 値は低くなるのです。

EPA には他にも炎症を抑えたり、血液をサラサラにしたり、免疫を向上させたりといった効果もありますし、体脂肪を減らす効果も実証され

・ビオチン単体でのサプリメントもありますが、たいていはビタミンB 群のサプリメントに配合されていますので、それを飲んでいれば大丈夫でしょう。

・糖質が多ければ多いほど、つまり血糖値が高く、またその高い時間が長ければ長いほど、糖化が起こりやすい のです。

ブドウ糖などに比べると 果糖は非常に糖化しやすく

・そのため果糖とそれを含む砂糖は、糖化を防ぐという観点からも、できるだけ避けるようにしたいものです。

・「宿便などは存在しない」 とのこと。 最初に出てくる黒い便は、実は腸内細菌の死骸です。 栄養が入ってこなくなったことにより腸のエネルギーが枯渇し、腸内細菌は死滅してしまうのです。

・断食により腸のエネルギーが足りなくなると、腸で水分を吸収することもできなくなります。それが断食で下痢をする理由です。デトックスされているわけではありません。

・実際のところ、断食にはなんの意味もないのです。 飽食により胃腸が疲れていたり、肥満していたりする人は、断食によって一時的に調子が良くなることもありえますが・・

・腸内細菌が産生する酢酸などの短鎖脂肪酸を認識する脂肪酸の受容体「 GPR43」に、体脂肪の蓄積を抑制し、肥満を防ぐ機能を持っていることが発見された のです。

・腸内環境が悪化していると、短鎖脂肪酸の産生もスムーズにはいかなくなります。 そして GPR43 も活性化されず、脂肪組織のインスリン感受性が高まり、太りやすい身体になってしまうのです。 断食などして短鎖脂肪酸ができなくなると、むしろ太りやすくなる というメカニズムがお分かりいただけたでしょうか。

・「イヌリン」にはヒト大腸の各部位において、 ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす ことがわかっています。

・イヌリンは消化されにくく、消化酵素の影響を受けません。しかし 腸において、バクテリアのエサとなる のです。このようなものを、「プレバイオティクス」 と呼びます。

●善玉菌そのものを含んだヨーグルトやサプリメントもありますが、それらの大半は胃において胃酸でやられてしまいます。実際に腸にまで到達する善玉菌は、非常に少ないといって良いでしょう。そこで、善玉菌そのものを腸に送り込んでやるのではなく、善玉菌のエサを送り込んでやり、自然に善玉菌が増えるようにしようというのがプレバイオティクスの発想です。

・腸においてバクテリアのエサとなり、善玉菌を増やして腸内環境を改善するものがプレバイオティクス。そして善玉菌そのもののことを、プロバイオティクスと呼びます。

●実はヒトの腸でも水素ガスは発生しており、その量は「一日 に1 リットル」です。これをグラムに直すと、 約 89mg です。いっぽう、水素が飽和した水 を1 リットル飲んでも、水素 は 1.6mg しか摂取できません。

人工甘味料は体内で消化吸収されないため、カロリーはほとんどありません。しかし消化されないということは、腸の中で人工甘味料が停滞してしまうわけです。すると、その部分だけ浸透圧が高くなってしまいます。それを調整しようとして、水分を引き込み、浸透圧を下げようとする働きが起こります。 こうして 腸の中に水分が引き込まれるため、人工甘味料を使いすぎると、お腹が緩くなってしまうことがあり

・摂取カロリーを減らすはずの人工甘味料を使用することで、食欲がかえって増加した わけです。実は 膵臓には甘みを感じるレセプターが存在し、人工甘味料の刺激によってインスリンが分泌されます。(※ 48)

人工甘味料の場合は糖質を摂取していないため、血糖値は低下したままになります。そのため空腹感が強まり、結局食べる量が増えてしまう のです。

・基本的に 糖アルコールは安全性が確立されており、問題なく使えます。 しかし犬を飼っている方はキシリトールに注意です。人間と違って犬がキシリトールを摂取すると大量にインスリンが分泌され、肝障害などを起こして致命的となることがあるのです。