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余計なことはやめなさい! ガトーショコラだけで年商3億円を実現するシェフのスゴイやり方

スイーツ界では有名なガトーショコラ1つだけを売るお店の本。

予約2ヶ月待ち、商品は一つだけ、13㎝のガトーショコラが3000円、お店の名前はケンズカフェ東京…色々疑問が湧くお店の成り立ちと経営についてオーナーシェフの作者が書いている。

 

元々はイタリアンのお店を開いていた作者。

赤字つづきで店を宴会に特化したところ黒字化し、さらにデザートで提供していたガトーショコラが人気だった為、レストランをやめガトーショコラ一本に絞ったのが現在のお店の由来。

その過程で何をどのようにやめたかが書かれている。

ただし広告・広報だけは永遠に続けろとあり、ネットのデータを分析したり、プロの広報を頼んだりと色々行っていて参考になる。

 

周囲や客の声、自分の見栄などに惑わされず、本質的に何をしたいのかを見極めることが大事と言っている。

 

お店のビジネスモデルが高価な商品一つで一見の客が来ると想定しているから、特に広告・広報が大事ということになっている。
ただ、最近は色んな方法の広告広報があるから同じビジネスモデルでなくても参考になる。

振り切っているお店なので特徴が分かりやすく読みやすい。

 

 

 

メモ:

●やめること
・本質的なものでないと薄々わかっているのになかなか手放せないもの、手を引く決意ができないもの。そうしたもののほとんどは、 業績が落ちることへの恐怖と、周囲からこういうふうに思われたいという、見栄や気遣いに端を発しています。
・バラエティに富んだラインナップは、一見、さまざまな人の需要を獲得できるように思えます。しかし、実際には その豊富さゆえに「迷わず選びたい」という人の需要を逃している可能性があります。
・「自分たちが目指していたようにやろう」「想定していたお客様だけにターゲットを絞ろう」 という決断
・本当に現在の価格のままでいいのでしょうか。それだけの商品数が必要でしょうか。現在のお客様を維持することだけがすべてでしょうか。会社や店の中に余計な機能や事業はないでしょうか。

●一店舗での販売
・多店舗化しないことによるメリットはたくさんあります。手に入れる場所が限定的なことでブランド力(ありがたみ)は上がりました。希少価値が高いという理由で松屋銀座東武百貨店池袋店といった百貨店からお声がかかったのは先にお話ししたとおりです。お客様にとっては購入場所が増えるという利点が生まれました。
・お客様との接点を増やしすぎたためにあっという間に飽きられ、ブランド価値が低下してしまったという例は業種を問わず、掃いて捨てるほどあります。
・ネット通販をやっていると、さまざまなお客様に遭遇します。顔が見えない商売だからか、お客様と直に接する店舗よりもクレームは過激化します。

●客の声
・お客様から「こうしてほしい」「ああしてほしい」という声を聞いたら、それは本質に合致しているのか否かをまずは吟味する。

●ビジネスモデル
・ケンズカフェ東京のお客様はガトーショコラを1回しか食べないという前提でビジネスを捉えています。 なにせ1本3000円のケーキ
・常連のお客様はいないつもり、少ないつもりで新しいお客様を獲得するために力を注ぐこと。

●プロの広報
・私はいまの時代、小さな会社や組織が勝ち抜く秘訣は「プロの広報にあり」とすら考えています。
・私が定める契約期間は半年から1年間。 ノルマは一切ありません。短期間で契約を切り替えているのは、彼らが優秀ではなかった場合とかではなく、それぞれの得意分野が異なるからです。
・会社より個人のほうが自らの看板で仕事をしているだけに誠実に働いてくれる。偶然なのかもしれませんが、私の偽らざる感想です。

●広告・広報
・こうした地方百貨店でのイベントはほとんどの場合、地元のTV局の取材がワンセットになっているからです。
・私はこのことからネット時代のいま、「ありえないこと」はまたたく間に拡散すると学びました。

●業績の恐怖
・そうやって業績拡大を追求し続けることも、「恐怖心」の表れではないのか、そう感じています。
・根底にある「会社が潰れることへの恐怖の感情」を手放していれば、冷静に、やるべきこと、やめるべきことがわかるのに……。   この恐怖心は手放すことが可能です。 実はとっておきの方法があるのです。   それは、わざと業績を落とすこと。  経営に影響の出ない範囲で、 前年や前期よりも下げた数字を目標数字にするのです。

●経営と心構え
・私が「意識してやめて良かった」と思っていることに触れておきたいと思います。 「周囲の声を聞きすぎること」と「業績向上にこだわること」です。
・「経営者は孤独」という言葉がありますが、耳を傾けるべきなのは自分の声であり、目指す方向性です。
・永遠の右肩上がりなどは不可能です。 売上は落ちるときには落ちるのです。それよりも、 売上にしがみつくばかりに余計なことをするほうがマイナスです。
・特に日本は災害の多い国です。外的な環境変化に持ちこたえられる体質をふだんから作っておくことは経営者の使命です。
・1つ言えることは、社会は変わり続けているということ。   自分の軸足を守り、その上で常に流動的に考えるというのが正しいと思っています。要は何ごとにも固執しない。