紫式部と藤原道長の関係、源氏物語のストーリーがリンクしながら進む。
生田斗真くんで映画化された話。
映画を見てなくて源氏物語も興味がなかったので新鮮な気持ちで読めた。
展開が早く、紫式部と道長が登場するのが面白かった。
最後の満月のシーンは、道長の有名な歌「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思えば」のイメージ。
藤原家の栄華の歌を思い出す。
同時に紫式部の歌「めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲隠れにし夜半の月かな」を思い出す。
友人と会ったときの歌なので全然関係ないけど、歌の内容「久しぶりに会ったのにもう帰ってしまった」という寂しさが、この物語の根底を流れている気がしてチラつく。
満たされない部分を他人で埋めようとすると不幸が起こるよな…と、読みながらずっと考えてしまった。