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嫌われる勇気

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

初めてアドラー心理学を読んだ。

「自分を生きる」とか「いまここ」とか、最近主流の自己啓発はここから来てるのかと腑に落ちた。

 


すごく短くまとめると…

自分と他人を分離して、自分軸で生きろ。
自分は人生の主人公だが、世界の中心ではなく一部である。
世界の一部だけれども、自分は他人にとって意味ある存在だと、他人の評価なしに自分が認識すること、それが幸福への道だと言っている。

 

 

内容で一番難しいのは「共同体感覚」かも。
共同体感覚とは、他者を仲間とみなし自分の居場所があると感じられること。
共同体感覚が幸福への道。


「共同体感覚」に必要な3つがある。

・自己受容(肯定的諦め)
・他者信頼(無条件の信頼)
・他者貢献(主観的な「貢献感」)

他者貢献が難しい。
「貢献」を他者から感謝される意味に取ると間違う。
他者の評価を入れるなと言っているので、相手がどんな態度でも自分は貢献できたと思うことを言う。
ある意味、すごい我儘。
でも、感謝や評価を他人に強要するのでなく、自分の中で「よくやった」と思えることだから、我儘ではない。健やかな肯定感。

 


詳しいことは本に沢山書いてある。

すべての悩みは対人関係だから、人と競争するな、競争しそうならリアクションを返すなとか。
対人関係のトラブルは、他人に踏み込むことと、自分に踏み込まれることだから、介入せず介入させるな、課題を分離しろとか。
過去も感情も自分で変えられる、過去も感情も目的があってつくっているという目的論とか。

 


アドラー心理学をわかりやすく伝えてるのが、今流行ってる色々な自己啓発なので、そういう本を読んでたらそれでいいのかも。

でも、一度これを読んでおくと、概念的にギュッとまとまってるのでスッキリする。
真理がズバッと書いてあるので、私にはグサグサ来て感動を覚えた。何度も読み直したい一冊。

 

続刊「幸せになる勇気」あり。

 

 

  

メモ:

●自分の意識
・問題は世界がどうであるかではなく、あなたがどうであるか、なのです。
・われわれは原因論の住人であり続けるかぎり、一歩も前に進めません。
・「大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」と。

●他者の存在
・個人だけで完結する悩み、いわゆる内面の悩みなどというものは存在しません。どんな種類の悩みであれ、そこにはかならず他者の影が介在しています。
・われわれは「同じではないけれど対等」なのです。

●争い
・自分が自分であろうとするとき、競争は必ず邪魔をしてきます。
・もしも面罵されたなら、その人の隠し持つ「目的」を考えるのです。
・人は、対人関係のなかで「わたしは正しいのだ」と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れているのです。

●愛
アドラーは、相手を束縛することを認めません。相手が幸せそうにしていたら、その姿を素直に祝福することができる。それが愛なのです。
・人は「この人と一緒にいると、とても自由に振る舞える」と思えたとき、愛を実感することができます。
・たとえ相手が自分の希望通りに動いてくれなかったとしてもなお、信じることができるか。愛することができるか。

●誰の人生
・われわれは「他者の期待を満たすために生きているのではない」のです。
・他者もまた「あなたの期待を満たすために生きているのではない」のです。相手が自分の思うとおりに動いてくれなくても、怒ってはいけません。それが当たり前なのです。

●対人関係
アドラー心理学では「すべての悩みは、対人関係の悩みである」と考えます。つまりわれわれは、対人関係から解放されることを求め、対人関係からの自由を求めている。しかし、宇宙にただひとりで生きることなど、絶対にできない。ここまで考えれば、「自由とはなにか?」の結論は見えたも同然でしょう。
・すなわち、「自由とは、他者から嫌われることである」と。
・われわれが対人関係のなかで困難にぶつかったとき、出口が見えなくなってしまったとき、まず考えるべきは「より大きな共同体の声を聴け」という原則です。
・もしもあなたが異を唱えることによって崩れてしまう程度の関係なら、そんな関係など最初から結ぶ必要などない。こちらから捨ててしまってかまわない。関係が壊れることだけを怖れて生きるのは、他者のために生きる、不自由な生き方です。
・悲しいときには、思いっきり悲しめばいいのです。痛みや悲しみを避けようとするからこそ、身動きが取れず、誰とも深い関係が築けなくなるのですから。
・攻撃してくる「その人」に問題があるだけであって、決して「みんな」が悪いわけではない、という事実です。

●ほめる
・ほめるという行為には「能力のある人が、能力のない人に下す評価」という側面が含まれています。
・人は、ほめられることによって「自分には能力がない」という信念を形成していくからです。
・いちばん大切なのは、他者を「評価」しない、ということです。

●感謝
・人は感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知ります。
・「人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる」。
・ありのままのわが子を誰とも比べることなく、ありのままに見て、そこにいてくれることを喜び、感謝していく。理想像から減点するのではなく、ゼロの地点から出発する。そうすれば「存在」そのものに声をかけることができるはずです。

●意識
・意識の上で対等であること、そして主張すべきは堂々と主張することが大切なのです。
・「変えられないもの」に注目するのではなく、「変えられるもの」に注目するしかないでしょう。わたしのいう自己受容とは、そういうことです。
・あなたが疑いの目を向けていることは、相手も瞬時に察知します。「この人はわたしのことを信頼していない」と、直感的に理解します。

●貢献
・他者貢献とは、「わたし」を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ「わたし」の価値を実感するためにこそ、なされるものなのです。
・つまり他者貢献していくときのわれわれは、たとえ目に見える貢献でなくとも、「わたしは誰かの役に立っている」という主観的な感覚を、すなわち「貢献感」を持てれば、それでいいのです。
・もし、ほんとうに貢献感が持てているのなら、他者からの承認はいらなくなります。

●特別と普通
・特別によくあろうとすることも、あるいは特別に悪くあろうとすることも、目的は同じです。他者の注目を集め、「普通」の状態から脱し、「特別な存在」になること。それだけを目的としているのです。
・「普通であることの勇気」
・普通であることとは、無能なのではありません。わざわざ自らの優越性を誇示する必要などないのです。

●いまここ
・計画的な人生など、それが必要か不必要かという以前に、不可能なのです。
・「過程そのものを、結果と見なすような動き」と考えてもいい
・もしも「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てていたら、過去も未来も見えなくなるでしょう。

●人生とは
アドラーの答えは「一般的な人生の意味はない」というものでした。
・「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」と。
・世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない、ということです。

 

 

続刊。

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