読んだ備忘ログ

本とマンガの読書感想ブログ

なんだかよくわからない「お腹の不調」はこの食事で治せる! 世界が認めた低FODMAP食事法

消化器内科医が書いた、原因不明のお腹の不調を食事で治す本。


腸に良いとされる食事(食物繊維や納豆・ヨーグルトなど)が、人により悪影響を与える場合があるという。

そういう人は腸内細菌の代謝産物が過剰で不調が起こるので、一般に良いとされる食事ではなく、低FODMAP(4種類の糖質を減らす)の食事をしようと言っている。

 


FODMAPは腸の本を読むとよく出てくる。
ネットに低FODMAPの分類が載っているのでそれでいいと思っていたが、読んでよかった。

 

例えば…

厳密にやらなくても減らすだけで効果があること。
ダメな食品でも、ものによって大丈夫なこと。
タマネギ・ニンニクは絶対に避けること。でも、ニンニクの香りをうつした油は大丈夫なこと。
4種類の糖質の影響も人により異なるので試すとよいこと。
低FODMAPの具体的な分類。
年齢によって大丈夫になったりダメになったりがあること。

 

勉強になった。



 

 

メモ(自分が嫌いで普段食べてないものはメモしてないので、ぜひ本を読んでほしい):

●人により腸が酸性
・食事法の作用は、その人がもともと持っている腸内細菌の種類によって、効果が大幅に違ってくる、 ということ。
・本来、 腸内細菌が腸内で生み出す乳酸や酢酸などの代謝産物は、適量であれば腸の健康に良い影響を及ぼします。しかし、過剰になれば、大腸内が酸性になって、下痢や腹痛などの症状を悪化させてしまうのです。
・そんなわけで、一般的に「腸に良い」という食品を食べるほど、逆に調子が悪くなってしまうという悪循環におちいります。
過敏性腸症候群の患者さんの腸は、健康な人とくらべて大腸のなかの酸度が高かったのです。そして、大腸の酸度が高い人ほど、大腸の動きが 麻痺 し、そのためにお腹のなかでガスが動かなくなり、お腹が張ったり腹痛が起きてしまうことがわかりました。

●FODMAPとは
・FODMAPとは、「発酵性(F)のある糖質」、つまり「オリゴ糖類(O)」「二糖類(D)」「単糖類(M)」「ポリオール類(P)」の4種類の糖質の頭文字を並べて「and」でつないだものです。
・この4つの糖類を多く含む食事を「高FODMAP食」、含まない食事を「低FODMAP食」と呼びます。
・小腸が吸収できないこの「腸の負担になる糖質」こそが、実は前項でお話しした4つの糖質=「FODMAP」なのです。 小腸が 水浸しになってしまう  

●減らすだけでも
・FODMAPは、ある程度の量以上を食べているときにだけ症状を引き起こします。ですから、少量含まれているだけなら、食べても問題はないことが多いのです。
・厳密に実践するのはむずかしいかもしれませんが、 意識して高FODMAPの食品を減らすだけでも、症状が改善する ことがわかっています。
・炭水化物を1日 20 グラムに制限すると、下痢で困っている下痢型の過敏性腸症候群の患者さんの症状が改善し、腹痛も治まっていくという論文もあります。
・少量含む食品なら、食べても問題ないことがほとんどです。  ただし、 唯一の例外がタマネギとニンニク。  この2つを含む食品は、 たとえ含有量が少量であっても、すべて避けるようにしましょう。
・にんにくの薄切りをディープフライして香りのうつったオイルだけを使う分には、問題ない のです。

●個人差
・ふだんからお腹を壊しやすい人のなかでも、4つの糖質であるFODMAPに対する耐性には、かなり個人差があります。

●腸内細菌
・低FODMAP食を実行すると、酢酸などの代謝産物が減り、腸内細菌も減ることになります。
・症状がない人は腸内細菌を増やすのが良いですし、不快な症状がある人は腸内細菌を減らすのが症状を軽くすることにつながるのです。
・いつも同じようなものばかり食べていると、腸内細菌の種類(バリエーション)が減り、似たような数種類の腸内細菌しか育たなくなります。  こうした腸内細菌のバランスが崩れた状態を、専門的には「ディス・バイオーシス」と呼びますが、この状態になると、腸の粘膜のバリア機能が落ちて免疫力が低下してしまうのです。
・くれぐれも、「同じものばかり食べる」食習慣はやめましょう。
・腸内細菌のバランスが崩れると免疫力が下がります。健康を害しやすくなるばかりか、不要なIgG抗体が生まれて、アレルギーという「免疫力の無駄遣い」まで招いてしまうのです。

●年齢
・年齢によっても変化が起こります。若い頃にはあなたの腸に合わなかった高FODMAP食が、 歳 を重ねていくうちに食べても問題がなくなるようになることもあるからです。
・年齢を重ねるにつれ、私たちの小腸は栄養分を吸収する力が落ちていきます。  すると、 若くて小腸に吸収力があったころには届かなかった栄養素が、大腸に届くようになってしまう のです。  そのせいで大腸のなかの細菌は異常に発酵し、肥満や糖尿病患者に見られるようなメタボ腸内細菌パターンに変化していってしまいます。

●やり方
・3週間ほど低FODMAP食にして、腸の調子が快復してきたら、あなたの腸の弱点が何かを調べていく段階に入ります。
・現在、あなたの腸が受け付けない(不耐性)と判断されたFODMAPについては、 将来、時間をおいてもういちど試してみる。今、食べると症状が出るものでも、時間が経つと、食べても症状が出なくなる可能性があります。完全に 諦める必要はありません。

●睡眠
・私たちの腸のなかでは、何かを食べて消化するごとにガスが発生しています。  あまり知られていませんが、このガスはおもに睡眠中に排出されます。ですから、 質の良い睡眠をとることで、お腹の調子は改善する のです。

 


●乳製品
・日本人の7割以上は、成人になると乳糖(ラクトース)を分解する酵素ラクターゼを失い、乳糖不耐症の状態──つまり牛乳やヨーグルトに含まれる乳糖を消化できないからだになります。
・つまり、 発酵性オリゴ糖やヨーグルトで便秘が解消したというのは、実はお腹の調子が治ったのではなく、「下痢」というもうひとつ別の副作用が起こったということ なのです。
・ただ、乳製品のなかでも、 堅く熟成したチーズと、バターには乳糖(ラクトース) が含まれていません から、問題なく食べられます。
・プロセスチーズ、ブルーチーズは、乳糖を多く含む高FODMAP食にあたります。

●果物
・この果物に多く含まれる果糖は、グルコースブドウ糖)と一緒であれば、問題なく吸収することができます。グルコースに便乗するかたちで、腸の内膜を通過できるからです。
・なかでも、 もっとも安全なのが、バナナ、ブドウ、イチゴ。
・安全な果物でも食べ過ぎると果糖が処理しきれなくなりお腹の不調を起こします。
・1日に何度食べても大丈夫ですが、できるだけ2時間以上 空けて食べてください。
・グレープフルーツは果糖とグルコースのバランスが良い果物なので、果糖だけダメな人は食べられます。  しかし、グレープフルーツはフルクタン(オリゴ糖)が過剰なのでオリゴ糖がダメな人は控えたほうがいいのです。

穀物
・お腹の調子が悪い人は、パン、パスタ、シリアルをできるだけやめて、米粉パンや米粉のパスタなど、お米中心の食事にしていくとよいでしょう。
・低FODMAP食は、小麦のフルクタン(糖質)を制限したものです。  グルテンフリー食は、小麦のグルテンたんぱく質)を完全に避けたものです。

●野菜
・お腹が弱い人は避けたほうがよい高FODMAPの野菜としては、 カリフラワー、セロリ、トウモロコシ、ニンニク、ニラネギ、さやえんどう(きぬさや)、マッシュルーム、しいたけ、タマネギ、サツマイモ です。
・お腹が弱い人が食べるのにもっとも適している野菜が、 キャベツ です。
・キャベツのなかで気をつけたいのが、サボイキャベツ。別名ちりめんキャベツとも言われ、葉がちりめん状に縮れたキャベツです。
ブロッコリーを食べるなら、できるだけ花の部分だけにしましょ
●酒
・まず お酒だけで飲むのではなく、かならず食事をしながら飲む ようにしましょう。
・こうした蒸留酒は、原料に小麦やライ麦を使用していることがありますが、精製の過程でFODMAPが除去されているためです。
・お腹が弱い人でも飲めるアルコールは、ビール、ワイン(赤、白の甘くないもの)、シャンパンを含むスパークリングワイン、日本酒 です。
・いちばん避けるべきは「甘いお酒」

●調味料
・ケチャップには果糖を含むコーンシロップも添加されている ためです。お腹の調子に影響してしまいますので、注意しましょう。
・4つの糖質をふんだんに含み、 高FODMAPとして避けるべきなのが、ハチミツ、マーマレード、ブルーベリージャム、バルサミコ酢 などです。
・また、クリーム系のパスタソースには乳糖とオリゴ糖(ガラクオリゴ糖)が入っていますので避けてください。トマトベースのものでも、タマネギとニンニクが含まれているものは、やはり避けたほうが安心。タマネギとニンニクはオリゴ糖(フルクタン)を過剰に含む野菜だからです( 前述 参照)。
・日本人の大好きなわさびも、実は残念ながら高FODMAP食。使いすぎるとお腹がゴロゴロしやすいので、気をつけましょう。  ちなみに、わさびパウダーは問題ありません。

●ナッツ
・アーモンドは 10 粒までなら大丈夫
・おすすめできないのは、カシューナッツとアーモンド、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ。オリゴ糖(ガラクオリゴ糖)を含む高FODMAP食だからです。

●豆
・豆類には発酵性オリゴ糖(ガラクオリゴ糖)がたっぷり含まれているので、お腹が弱い人には基本的にはおすすめできない食材です。
・絹ごし豆腐にはオリゴ糖(ガラクオリゴ糖)がたくさん含まれていますので、食べるなら木綿豆腐にしましょう。
・また、味噌は大豆原料の発酵食品ですが、FODMAP成分が精製過程でなくなりますので、安心して食べていただけます。
・豆乳は、大豆から作られた豆乳ではなく、大豆抽出物から作られたものを選ぶことが重要です。

●ジュース、飲み物
・低FODMAPの果物から作られたジュースでも、注意が必要です。というのは、 多くの市販のフルーツジュースには果糖を含むコーンシロップ(果糖ブドウ糖液糖) が添加されているから です。
・市販の野菜ジュースのほとんどには、タマネギが入っていますので、やはり避けたほうがよいでしょう。
・お茶は何でもお腹にやさしそうに思えますが、実はそうでもありません。   たんぽぽ茶、ウーロン茶、チャイ、カモミールティーは発酵性オリゴ糖(フルクタン) が多いので、お腹の弱い人は控えたほうがよい飲みもの です。   いちばんおすすめできるは、緑茶 です。  コーヒーは腸への刺激があるだけでなく、コーヒーの中の食物繊維にも発酵性があるので1日1杯に控えたほうがよいでしょう。

●肉魚
・動物性たんぱく質は問題なし

●食品ラベル
・FODMAPを多く含んでいるかどうかは、ラベルの最初のほうに書かれているか、最後のほうに書かれているかでわかるのです。