読んだ備忘ログ

本とマンガの読書感想ブログ

世界にひとつだけの「カワイイ」の見つけ方

世界にひとつだけの「カワイイ」の見つけ方

世界にひとつだけの「カワイイ」の見つけ方

 

きゃりーぱみゅぱみゅのカラフルな世界を手掛けてる人…と言ったらわかりやすいのかな?

アートディレクター・増田セバスチャンさんの本。

 

彼が見た原宿とKAWAII文化の変遷、彼の仕事の仕方、彼の生い立ちなどが書いてある。
サラッと読めてあっという間に読んでしまった。

 

以前、テレビなどで彼を見かけ、なんとなく知っていたが、どこか暗い影のある彼がカワイイをプロデュースしていることがちょっと不思議で、今回彼の生い立ちや考えを知ってそういうことかと納得した。

 

読者への呼びかけは、自分の好きを突き詰めようということと、色を変えると気分も変わると言っている。

社会へのアンチテーゼとしてのカワイイ、カワイイに毒をまぶすから強さが出る、など…分析もあり。

KAWAII文化をざっくり知りたい人にいいかも。

 

メモ:

・「そもそも『カワイイ』とはどういうことか?」  そんなふうに聞かれたとき、ぼくはいつも次のように答えています。 「自分だけの〝小宇宙〟──それは、だれも邪魔することができない、自分だけが愛でることのできる〝小さな世界〟」

・肝心なのは、個人的に「好き」で仕方のないもの、思い入れの深いもの、愛でているもの……そうした色やモノを見つけて、それを大事に守り、育んでいくこと。

・ふだんは身につけない色あいのものを身につけると、それだけで意識や心のありようが以前とは変わってくるのが実感できるのです。

英語圏で使う「クール(cool/カッコいい)」という表現はすでに少し古い感じがあって、オジサンたちが好んで使う言葉だという認識がある、と聞きました(日本語でいうと「ナウい」くらいの死語感でしょうか)。 若い人たちは同じ「クール」に近い表現になんの単語を用いているのかと尋ねたところ、「オーサム(awesome)」か「アメージング(amazing)」、そうでなければ「カワイイ(KAWAII)」になる、という答えでした。

・欧米では「年齢相応」ということが社会生活上のマナーやルールにもなっていて、成人に達したら、服装も含めて 大人にふさわしい 言動やふるまいを求められる傾向が強いのです。

・海外では、文化的なオリジナリティをとてもリスペクトします。どんな分野であっても、無から有を生み出す作業に関して、心からの尊敬の念を抱くのです。

・自分の中に残っている子ども時代の感覚を失うことなく、好きなものを追求して、自分だけの小宇宙を確立する。

・自分の好きなものを深く掘り下げて、自分だけの色や世界を構築してもらいたい。その個人が集まって、自分を失うことなく、互いを許容し合っていけば、それが時代を動かし、世界を変えていく小さな始まりの1点になると思うからです。