読んだ備忘ログ

本とマンガの読書感想ブログ

妻の化粧品はなぜ効果がないのか 細胞アンチエイジングと再生医療

タイトルの「妻の化粧品はなぜ効果がないのか」の内容は全体の1/2~1/3くらい。
他はサブタイトルの「細胞アンチエイジング再生医療」。
iPS細胞の話やフリーラジカル活性酸素などの話も。


面白かった~。

 

化粧品の効果の部分は軽く読めるので万人向け。
細胞と再生医療の部分は専門的で、フリーラジカルの電子配置の図とかもでてくるし…苦手な人は流して読むのがよいかと。


化粧や美容、老化に興味のある人は読むと面白いと思う。


昔、高価な化粧品を買ったり手作り化粧品を作ったことがある…
仕事が忙しくて食生活の乱れと睡眠不足で肌が荒れたので高価な化粧品を使ったけどどうにもならず、仕事をやめたら綺麗に治ったり、漢方(ユキノシタやボタンピなど)の成分を抽出して美白目的の手作り化粧水をつくったけど効果不明だったり、もともと乾燥肌だったのがオリーブオイル大好きな夫と生活するようになり油を多くとったら乾燥肌が治ったり…食べ物や睡眠、ストレス改善が化粧品よりすごく大事だと実感した。
なので、実体験として本の内容にすごく共感。
スキンケアで出来ること出来ないことが書いてあり非常に勉強になった。


著者は細胞を若く保つ方法をいろいろと述べてるが、あとがきでシワがあってもいいじゃないかと言っている。老化防止は手段だと。人生を楽しむことを最優先しつつ老化防止を心がけるというスタンスの著者。そのスタンスが読後ホッとさせられて救われる。

 


メモ

●肌基礎
・表皮細胞の周期は28日ほど、真皮細胞の周期は5~6年
・シミとくすみは表皮組織の老化、一時的な日焼けは1ヶ月後に消える
・加齢とともに表皮細胞の老化で28日周期が長くなり、メラニン色素の濃度が高くなりくすむ、濃度の高い状態がつづくと沈着する
・真皮の老化では肌のキメやハリがなくなったり、乾燥、シワ、たるみ、クマができる
・肌の老化の大きな原因は「紫外線」「酸化」「糖化」で一番のダメージは紫外線
・肌の老化を防止するスキンケアで私が必要だと考えているのは紫外線カットと保湿

●日焼けについて
・子供も大人も意識して日光を浴びなくてもビタミンD合成に必要な日光は日常生活の中で十分に浴びている
・紫外線は活性酸素も生み出す、肌の老化は紫外線自体の損傷よりも活性酸素によるダメージのほうが大きい
・日焼け止めのSPF値が高いほどアレルギー反応が起きるリスクも高まる
・通常レベルの日焼けの場合βカロテン、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化物質を摂ることが有効

●肌と化粧品について
・基本的に塗られたものが浸透するのは表皮まで、化粧品の作用は薬事法で角層までと決まっている(カネボウの美白化粧品で白斑を引き起こした件は例外で作用が効きすぎてしまったと言える)
・コラーゲンやヒアルロン酸は真皮組織にあるので化粧水やクリームに含まれてても到達しない、しかし分子が大きいので肌の表面につけることでラップで覆うように水分の蒸発を抑えて肌表面を保護する働きがある
・レンガのように死んだ細胞が寄り集まっている皮膚の表面では細胞の隙間に水分や油分があり外部からのバリアになっている、水分蒸発するとスカスカになりバリアが不完全になり少しの刺激で赤くなったり腫れやすくなる
洗顔後に化粧水が浸透するように感じるかというと洗顔で角層が部分的に剥がれた状態になるから、剥がれた部分に水分が入り込みそう感じる、この水分が浸透しても表皮に潤いをプラスしないし蒸発する勢いでデリケートな角層を破壊することになる、化粧水を使ってるのに肌が乾燥する場合は一度化粧水をやめてみる
・界面活性剤は油分=セラミドを落とし、水分が蒸発しやすくなり乾燥が進む、クレンジング剤では、クリームタイプ、ミルクタイプ、洗顔料では石鹸タイプのものが一般に界面活性剤の含有量が少ない、オイルタイプは多め
・いずれにしても泡立てた洗顔料で肌をやさしくなでるようにして、水で3~5回程度さっと流す、1~2分の洗顔で十分
・化粧品が高価で素晴らしい効能がうたわれててもヒリヒリするなど違和感を感じたらその人に向いてない
・医薬品には副作用がつきもので副作用の心配をなくすためには効果がゼロになるほど薄めなければならない、効果は「医薬品>医薬部外品>化粧品」
コエンザイムQ10はバランスのいい食生活なら不足することはない、肌に塗っても意味がないのはコラーゲンやヒアルロン酸と同様
・コラーゲンやヒアルロン酸を食べてもアミノ酸に分解される、コラーゲンを体内で合成するにはアミノ酸、ビタミンC、鉄が必要になる
・バランスのよい食事を心がける方が効果的

●シミ詳細
・レーザーなどで治療すればシミは消えるが肌の細胞の一部分は破壊されバリア機能が失われ紫外線に非常に弱い状態になる、肌再生まで紫外線を避けることが不可欠、破壊された色素細胞が戻らず白いシミになる危険もある
・放っておいても消えるシミに色素斑があり、スキンケア化粧品でシミが消えた場合はもともと消えるタイプのシミだったと言える
・肝斑は飲み薬が有効、レーザー治療で悪化する場合もある、老人性色素斑と思いレーザー治療したら肝斑でひどくなることもあるので専門の皮膚科を受診すること

●糖
・余分な摂取カロリーのほとんどは炭水化物、炭水化物が中性脂肪を増やす