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大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌

大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌

大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌

 

腸内細菌の研究で有名な著者の本。
消化と腸の基礎知識、腸内細菌や便について色々と書いてある。
子供の便秘の記載も少しあり。
肥満や自閉症認知症だと因果関係は不明だがそれぞれ増える細菌があるとか。


腸内細菌の勉強になり面白かった~。


文中に出てくる「便は自分でデザインするもの」というのに納得。
作品だと思うとちょっと面白いかもしれない(笑)

 


メモ

●基礎知識
・便の8割は水分、残りの固形成分は食べかす、粘膜、腸内細菌
・口でデンプンの消化液(唾液)、胃でタンパク質などの消化(胃液)、胃の食べ物は1食約4時間かけて小腸へ、小腸で消化酵素により分解・吸収
・小腸は免疫を活性化させる、小腸の働きが弱まると風邪や疲労が多くなる
・大腸は水分とミネラルを吸収し、Mg、Ca、Feなどを排泄する
・大腸の排泄所要時間は12~48時間、上行結腸(15cm)で半泥状になり、横行結腸(40cm)で泥状になり、下行結腸(30cm)で半固形、S字結腸(40cm)で固形、直腸(20cm)を通って排泄
・腸の蠕動運動は1日に1~2回しか起こらない

●腸内細菌や便について
・乳酸菌やビフィズス菌は善玉菌で腸内を酸性にする
・乳酸菌やビフィズス菌のエサとなる食物繊維の多い食事を心がける
食物繊維の役割は便が腸に滞在する時間を最適にする働きもある
日和見菌は7割
・便の硬さは、練り歯磨きぐらいだと水分80%、バナナくらいは70%、この間の硬さが健康
・典型的な便の色は黄土色や茶色、脂質の多いものを食べると胆汁が多く出て褐色の度合いが高まり悪玉菌が繁殖しやすくなる、穀物・豆・野菜を多く食べるとpHが下がり黄色っぽくなる、肉を食べすぎると悪玉菌増殖で腐敗が進み黒っぽくなる、肉をそんなに食べてないのに黒色は出血を疑う
・過剰な肉食は腸内に悪玉菌を増やす、大腸がんでは動物性脂肪がリスク
・乳酸菌シロタ株を飲んだ患者グループは、腸内にいる乳酸菌が飲まないグループの100倍以上に増えていたが、便の乳酸は増えず酪酸が増えていた、仮説として乳酸をエサにする酪酸産生菌が増えた?
酪酸は腸内環境が悪化し下痢したときなど、腸の粘膜を修復する役割を果たしてくれる、酪酸産生菌はオリゴ糖もつくるのでエサにするビフィズス菌を増やす
過敏性腸症候群の原因は精神的ストレスだが、もともと悪玉菌が多いところにストレスが加わると悪化し粘膜が傷ついて痙攣をおこす、すると水分吸収がうまくいかず腹痛や下痢がおきる、ストレス軽減以外に食生活で腸内を整える努力も必要
・私の花粉症が軽快に向かったのはビフィズス菌(ロングム菌BB536)を食べ続けたこと
・納豆菌のメカニズムは明らかにされないが食後2~3日は芽胞で腸内に留まる
・サツマイモだけ青汁だけで腸内細菌がタンパク質を作っている例もあるが、私たちが急に始めてもできるわけではない
・怪しげな健康情報の多くには個人の体験に基づいているという共通点がある

●子供
・一般的に2歳になるまでの乳児期に発症しなければアトピー性皮膚炎になりにくい、生後6ヶ月まで腸内でビフィズス菌が優勢だとアレルギー症状が出にくい
・子供が便秘の場合はとにかく溜めずに出すことが大事、伸びた直腸を元のサイズに縮めないと便意も回復せず、便秘の期間が長いほど直腸の弾力性を戻すのに時間がかかる