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2週間で体が変わるグルテンフリー(小麦抜き)健康法

著者は栄養療法の医師。
糖質制限が流行っていたときに著者の「うつは食べ物が原因だった!」というのを読んだことがある。


この本はグルテンカゼインの解説がメインで、その他に腸粘膜を丈夫にするために気を付けること(食品、食事)が書いてある。

 

グルテン(小麦)とカゼイン(乳製品)は腸内環境を悪化させる代表的なものであり、グルテンカゼインのアレルギーは自覚症状があまりないのでわかりにくいとある。

 

そこで「2週間抜いてみる」ことをお勧めしている。

 

完全に除去すると体調の変化がわかりやすく、抜いて何も変わらなければいつも通り食べればいいと。
2週間抜いて、元の食生活に戻すとアレルギーがある場合は不快症状がでてくる。

 

自閉症っぽい人、イライラする人、不快な症状がある人などが実践すると調子が良くなることがあるらしい。

 

グルテンカゼインのアレルギー度合いにもよるが、そこまで厳密にやらなくても自分なりに工夫するといいだろうとも言っているので、気楽にやってみるのもいいのかも。

 

厳密にやろうとすると、醤油に小麦が入ってるのが割と盲点かも。グルテンフリーの醤油もあるけど通常は入ってるので。

 

 

 

一応まとめると…
グルテン(小麦製品)とカゼイン(乳製品)は抗原になりやすい(アレルギーがでやすい)。
健康な腸は問題ないが、もともと腸粘膜が弱い人や腸内環境が悪いと、グルテンカゼインが腸に炎症を起こす。
炎症で免疫機能が低下し、あらゆる病気に関わってくる。
また、グルテン活性酸素を大量につくり、カゼイン活性酸素の除去を阻害するので、疲れやすく老化が進みやすくなり、炎症もなかなか治まらない。
グルテンではないが、小麦のアミラーゼトリプシン阻害物質が糖質とたんぱく質の吸収を阻害する。これより、グルテンというより小麦自体の問題になりつつある。
アミノ酸配列がモルヒネそっくりなので中毒性があるのでやめにくい。
→とりあえず2週間やめて調子をみてみたらどうだろう?
という、感じ。

 


メモ: 

●IgGアレルギー
・IgGアレルギーはあくまでも「腸の粘膜が弱い」というサインなのである。
・IgGアレルギーはその食品を抜いただけでは解決しない。腸の粘膜を丈夫にするアプローチが必要なのだ。
・即時型アレルギーであるIgEアレルギーはその食品を「抜くのが治療」。遅発型アレルギーであるIgGアレルギーは、その食品を「連日食べない」ことが治療なのだ。
・ただしIgGアレルギーでも、避けるべき食品がある。それが小麦(グルテン)と乳製品(カゼイン)なのだ。この2つは、腸の粘膜を荒らしてしまうのである。グルテンカゼインを摂取していると、腸粘膜が弱くなり、IgGアレルギーも治りにくくなってしまうのだ。

 

グルテン
・なぜグルテンが腸の粘膜を荒らすのか。それは、グルテンアミノ酸の配列に関係している。
・健康な腸であれば、腸の粘膜が丈夫だから、これらのペプチドが有害になることはない。ただ、もともと腸の粘膜が弱かったり、腸内環境が悪かったりした場合、これらのペプチドが腸の粘膜に入り込んで炎症を引き起こし、悪さをするのだ。

 

●カンジタ
・また、腸が炎症を起こし、免疫機能が低下すると起こってくるのがカンジダの問題だ。腸の粘膜にカンジダがつきやすくなるのだ。
カンジダの大好物が糖質なのだ。精製された砂糖や、果物に含まれる果糖などもカンジダのエサとなる。もちろん小麦製品も糖質が高いので、カンジダのエサとなる。

 

●お腹が弱い人
・小麦でアレルギーの全身症状が出てしまうのがセリアック病だが、明らかな小麦のアレルギーが出ない(グルテンのアレルギーの血清反応が出ない)人たちは、「非セリアック病グルテン感受性(NCGS)」と呼ばれている。とくに過敏性腸症候群の人たちにこのNCGSのある人が多く含まれているのではないかといわれている。
・そこで自閉症と診断されたお子さんにIgG抗体の検査をすると、その多くが小麦に対する抗体を持っているのだ。
・もちろん一生グルテンカゼインを含む食品を食べられないということはなく、値がよくなれば、アレルギー反応は起こりにくくなる。多少食べても、グルテンに過敏に反応することが少なくなっていくのだ。こうして、ある程度食べてもいい状態にしていくのがベストだ。
・私の印象では、発達障害系のお子さんは、例外なく腸の状態が悪い。
・おなかが弱い、下痢や便秘が見られる、または疲れやすいという症状があれば、一度グルテンフリーを実践してみることをおすすめする。小麦アレルギーではなくても、潜在的グルテンの感受性が高い人は多いだろう。

 

●中毒性
・ところで、グルテンカゼインで怖いのは、麻薬のような中毒性があることだ。
カゼイングルテン由来のグリアジンのアミノ酸の配列をそれぞれ見てみると、「トリプトファン」「フェニルアラニン」などの間に、「プロリン」というアミノ酸が並んでいる。実はその配列が、モルヒネそっくりなのだ。
・食べれば食べるほど、「もっとほしい、もっと食べたい」という一種の中毒症状が出てしまうのだ。

 

活性酸素
・小麦のグルテン活性酸素が大量につくられ、乳製品のカゼインで、その活性酸素の除去が阻害されてしまうのだ。結果、非常に疲れやすくなったり、老化が進みやすくなってしまうというわけだ。
・粘膜の荒れ=炎症なのだが、グルタチオンが欠乏すると、この炎症もなかなか治まることがない。小麦や乳製品を食べ続けていると、なかなか腸内環境が改善しないのは、このような背景があるからなのだ。
※グルタチオンは抗酸化物質

 

●食欲抑制ホルモン
・PYY(peptide YY)という食欲抑制ホルモンがある。
・腸の粘膜が炎症を起こしていると、PYYが分泌されにくくなるので、食欲を抑えられなくなってしまうのだ。
・どうしても食欲が抑えられないという人は、有酸素運動をすると血中のPYYの量が増えることが報告されている。だから「もっと食べたい」と思ったら歩けばいい。食後にすぐ歩くことで、食欲がスーツと消えていく。「なんであんなに食べたかったのかな」ということになるだろう。

 

●栄養吸収阻害
・実は、小麦の問題点はグルテンだけにあるのではない。ほかにも悪さをしているものがいるのだ。  その代表が、小麦に含まれるアミラーゼトリプシン阻害物質(ATIs)とフルクタンである
・アミラーゼの活性が阻害されると、でんぷんの分解が妨げられ、糖質の吸収が阻害される。つまり栄養の吸収阻害が起こる
・このトリプシンを阻害する物質も、小麦に多く含まれているから、体の土台をつくる大切なたんぱく質の吸収も阻害してしまうのだ。
・最近の小麦は、大量生産をするために品種改良されている。  ATIsを多く含むことのメリットは、害虫に強くなるということだ。遺伝子組み換えで増えている物質の代表が、ATIsといえるだろう。

 

●フルクタン
・フルクタンはフルクトースという果糖の重合体で、水溶性の食物繊維のことである。  フルクタンは過敏性腸症候群症状、すなわち下痢や腹痛を引き起こす原因になることが知られている。
ラッキョウやゴボウ、菊イモにも多く含まれていて、とくにラッキョウに含まれているフルクタンはいろいろなサプリメントに使われることもある。本来はそれほど悪さをしない物質なのだ。
・フルクタンは、ビフィズス菌を増やす一方で、クレブシエラ菌や大腸菌といった菌を増やしてしまうのだ。

 

過敏性腸症候群
過敏性腸症候群などの治療で今注目されているのが、FODMAPs(フォドマップ)という食事方法の概念である。
・FODMAPsとは、発酵性オリゴ糖、単糖類、二糖類、ポリオールのことを指す。これらはすべて、発酵性で低吸収性の短鎖炭水化物だ。  どんなものに含まれているかというと、フルクタン、ガラクトース、フルクトース、ポリオールといった物質や、具体的な食材でいえばハチミツ、スイカ、チェリー、マンゴー、洋ナシ、チコリ、フェンネル、ビート根、ネギなどに多いといわれている。
・FODMAPsを摂取することで、下痢や便秘、膨満感などの消化器症状を起こすといわれている。
・FODMAP食事法で胃腸症状が軽減した患者がグルテンカゼインを含むものを食べると、症状が悪化することがわかっている。つまり、FODMAPsを摂取することで起こる症状と、グルテンカゼインを摂取することで起こる症状は非常に似ているということなのだ。
・食べていいものと悪いものをhttps://www.glutenfree.com/というサイトを参考に具体的に一部紹介しよう。・食べてはいけないもの  大麦、小麦、オーツ麦、ライ麦、グラハム、ふすま、パン、パスタ、うどん、ラーメン、トルティーヤ、パン粉、しょうゆ、ビール、クスクス、ブイヨン など

 

●食べ物
・一般的なグルテンフリーではよしとされている牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品は、これまでも述べてきたように「カゼイン」を含むため、合わせて食べないことをおすすめする。
・IgGアレルギーかどうかを見極めるひとつのポイントは、「よく食べるもの」だ。つまり、量より頻度、頻繁に食べるもの、大好物なものが抗原になりやすい。  だから私は患者さんにはいつも、「冷蔵庫を開けていつもあるものには気をつけてください」といっている。

 

乳糖不耐症
・知っているようで知られていない事実に、日本人のほとんどが「乳糖不耐症」だという事実がある。
・「私は牛乳を飲んでも下痢にならないから、乳糖不耐症ではない」と思った人も多いだろう。ところが、目立った症状がないだけで、日本人の8~9割は乳糖不耐症なのである。
乳糖不耐症カゼインの問題は、別物なのだ。

 

カゼイン
カゼインとは、乳に含まれるたんぱく質で、その約8割がカゼイン、残り約2割がホエイである。
・日本の子どもにIgGアレルギーの検査をすると、ほとんどに多かれ少なかれ、乳製品に反応が出る。この理由はやはり、給食にあるのではないだろう
・牛乳にアレルギー反応を起こす人でも、牛乳を飲んでいるうちに飲めるようになってくるのと同じように…中略…カゼインにアレルギーがあるお子さんの場合は、飲み続けることで腸を荒らすことになってしまうのだ。
・バターの成分はほとんどが脂質であり、乳たんぱくとしての抗原性が非常に少ないことがわかっているため、乳製品から外して考えて構わない。  
カゼインの抗体があるかどうかも関係なく、牛乳を飲むことで脳への葉酸のとり込みを阻害する可能性は否定できないということなのだ。

 

●他の症状
グルテンカゼインに反応を起こす人は、脳や肝臓、筋肉に活性酸素が増え、細胞の老化をもたらす。そして病気にもつながりやすくなってしまうのだ。
・アレルギー症状があるということは、腸の状態が悪いということ

 

●腸と脳
・腸管と脳と自律神経は直結しているし、腸内環境が悪くなれば性格にまで影響を与えてしまうということなのだ。
・別のデータでは、5分間気持ちのいい状態を持続させた場合と、同様に5分間怒りの感情を持続させた場合での初期段階の免疫反応を調べたものがある。
・快適な刺激のほうは免疫反応が一時上がったあと、ベースラインを保ったままであるのに対して、怒りの刺激のほうは、いったん上がった免疫反応がガクンと下がり、8時間経過してもベースラインに戻らないことがわかった。  怒り=ストレスは免疫反応まで下げてしまうのである。

 

●油
・私たちの体で起こっている病気や症状である「炎症」を鎮静化させる働きをするのは、コルチゾールだけではない。  近年、注目を集めているのが「オメガ3系」と「オメガ6系」と呼ばれる、それぞれ組成が異なる2つの脂肪酸、つまり油の存在だ。
・オメガ6系脂肪酸をとると細胞膜のやわらかさがなくなってしまう話をした。トランス脂肪酸も同様に、細胞膜のなかに入ることによって細胞膜が持っているやわらかさがなくなってしまうのだ。
トランス脂肪酸代謝されにくいので、代謝の際にビタミンやミネラルを必要以上にたくさん消費してしまうというデメリットもある。
・油ものが苦手だという人の体内では胃の攪拌がうまくいっていないということと、胆汁の分泌が悪く、乳化がうまくいかないため吸収が悪くなっていることが考えられる。
・実はコレステロールが食物由来のものは全体の20%程度、あとの80%は肝臓を中心とした組織がその合成を担っているのだ。しかも肝臓は食物からつくられるコレステロールが増えると肝臓で合成される量を減らすなど、その総量をきっちりと管理しているのだ。

 

米粉
・実際、米粉だけの生地では粘り気を出すのが難しく、なかなかふくらみにくい。結局、グルテンを混ぜることがいちばん手っ取り早いということで、グルテンが入っていることが多くなるというわけだ。

 

●血糖値
・通常、食事をとると血糖値はゆるやかに上昇し、その後ゆるやかに下がって、食後3~4時間で空腹時と同じ値になって安定する。
・また、腸が悪ければ低血糖症にもなりやすい。腸の粘膜が荒れ、網の目が粗い状態になると(リーキーガット)、腸に吸収されるのも速くなる。糖も驚くほど速く吸収されてしまうのだ。

 

●食事の頻度
・毎日とる習慣を改め、1日おきにするだけでかまわない。なぜならIgGアレルギーは先述したように「量より頻度」だからだ。一度に食べる量ではなく、少量でも毎日とり続けることでリスクが高くなる。極端にいえば、一度に卵を3個食べるよりも、毎日1個ずつ食べるほうがリスクが上がることになるのだ。

 

●大豆
・アレルギーの血液検査をすると、確かに大豆に反応を示す人は多いのだが、実際、重度なアレルギーは少ないのだ。ただし、同じ大豆製品でも、おからは抗原性が強いので注意が必要だ。
・肉を食べずに大豆製品ばかりとると、アレルギー以外の問題も出てくる。それが鉄分不足だ。
・野菜や穀類に含まれる鉄分は非ヘム鉄といわれ、肉などの動物性食品に含まれるヘム鉄に比べて、圧倒的に吸収率が低い。

 

●ω3系油
・オメガ3系の油を体内に摂取して代謝されてEPAに変換されるには、ある種の酵素が必要だ。これが「オメガ3とオメガ6の比率は1:1がベスト」の図にあるデルタ6不飽和化酵素だが、日本人はこの酵素活性が低いことが知られている。
・オメガ3系の油をとっても、EPAに変換されにくい人が意外に多いのだ。アトピー性皮膚炎があるなどアレルギー体質の人はさらに、デルタ6不飽和化酵素の活性が低い。ということは、腸の炎症を抑制したい人であればあるほど、EPAとして直接とること、つまりは魚からオメガ3系の油をとるほうが効率がいいということになる。
・デルタ6不飽和化酵素が働くためには、さまざまな栄養素が必要になる。  その代表が亜鉛だ。そのほか、ビタミン、マグネシウム、ビオチンなどがある。

 

●VD
・ビタミンDといえば、これまでカルシウム代謝に関係し、骨を丈夫にすることがおもな役割だといわれてきた。しかし、最近では免疫力をアップさせ、アレルギー症状を改善する作用があることが知られるようになってきた。
・ビタミンDを生成するのは紫外線のうちUVBで、これは洋服や窓ガラスを通過できないのだ。つまり、ビタミンDをつくるには、直射日光を浴びる必要がある。

 

●鉄
・現代人は、鉄が圧倒的に欠乏しているのだ。
・腸内細菌のうち、悪玉菌は鉄が好物なのだ。  だから鉄分が足りないからと、吸収できないほど鉄をとるのはよろしくない。
・だから、サプリメントでヘム鉄をとる場合の量の目安としては、便が黒くなるかならないか、ぎりぎりのラインの量を摂取する必要があるだろう。

 

VB
・ビタミンB群が不足すると、寝つきが悪くなる、集中力や記憶力が低下するなどの弊害も出てくる。
・腸内の状態が悪いと、腸内細菌のバランスが乱れ、体内でのビタミンB群の合成能力が落ちてしまう。
・さらに、ストレスはビタミンB群の大量消費の原因になる。ストレスを感じたとき甘いものに走るといった「糖質でストレス解消!」は、最悪の方法であることも付け加えておく。

 

●繊維とオリゴ糖
・ファイバーやオリゴ糖をとって腸の状態が改善する場合は、比較的すぐにわかる。一方、しばらく様子を見ても、なかなか改善しない場合は、悪玉菌の活性度が高くなっている可能性がある。このような場合は、ファイバーやオリゴ糖の摂取は控えたほうがいいだろう。

 

人工甘味料
抗生物質に加えて、腸内細菌のバランスを乱すものに人工甘味料がある。
人工甘味料を常用している人は明らかに健康な腸内細菌の構成に大きな変化をもたらすことがわかっている。

 

●ほか
・ひと言でいえば、グルテンアミノ酸配列は、非常によくない並び方をしているということなのである。しかもその鎖状の立体構造は、非常に分解されにくい構造をしているというから、たちが悪い。
・今まで「小麦が悪いのはグルテンに原因がある」とされ、グルテン耐性に注目されてきたが、ここで説明してきたような小麦全体に含まれているアミラーゼトリプシン阻害物質やフルクタンを含めた小麦全体にかかわる物質が悪者なのではないかというところに概念がシフトしつつあるのだ。
・そして今では、アレルギー食材のなかで、食べられるものが増えてきた。お母さんにとっても嬉しい変化だろう。これは、腸の粘膜が強くなった証拠なのだ。